【AI入門・前編】人工知能とは?【仕組みを完全理解】

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今回は日本一やさしいAI入門・前編ということで、AIによって未来の私たちの生活がどのように変わっていくのかというテーマについて、なるべくわかりやすく説明していきたいと思います。

●動画でも説明していますので動画派の人はこちらを観てください

今回は対エンジニア向けではなく中高生でもわかるような用語を使って、かつ数学を使わずにAIについて説明していきたいと思います。
なのでこれを見終わったらAIについて一通りの会話ができますので、ぜひ最後まで読んで頂ければ嬉しく思います。

ではさっそく本題に入っていきます。

プロローグ

2010年代に入って世間ではAIの社会進出が目覚ましくニュースでも多く取り上げられていて気になってる方も多いんじゃないでしょうか。

実際に私自身、エンジニアとして見ても2015年くらいからAIが関係した仕事も増えてきています。

その反面、知名度が上がるにつれて悪評みたいなものも結構聞くようになりました。
たとえば、人によってはAIによって仕事が奪われたり、人類が滅ぼされたりするんじゃないの?と恐れている方もいます。だけど、ちゃんと理解すればそこまで怖がるものではないんですよl

たしかに将来AIが取って代わって、なくなる仕事もあります。
でもそれはしょうがないですし防ぎようがありません。AIの大きなメリットは、人間のかわりに機械が仕事をすることで、企業としては人件費を大きく抑えられることなんです。なので多くの経営者はできるなら、AIに仕事してもらいたいと思っています。

もしあなたが経営者なら機械が代替できる仕事はすべて機械にしようとするはずです。だって経費抑えられますから。

なので、将来のことを考えずに漠然と今の仕事をしてる人は、もしかしたら将来、AIに仕事を奪われたり、AIに使われたりする可能性があるかもしれません。

だからこそ今、仕事を奪われたらどうしよではなく、「AIではできない仕事はないか?」「自分がAIを使う仕事をするのはどうか?」を深く考える必要があるんです。

そう考えていけば恐怖もなくななるはずですし、今回はそういったマインドになるために、AIの基礎から将来、私達がどうAIと関わっていけばいいのかまで話したいと思います。

 

そもそもAIとは?

AIとは日本語で人工知能という意味です。

人工知能に厳密な定義はありませんが、AI研究の第一人者、松尾豊氏によれば「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」といったような少し抽象的な定義はされています。

わかりやすく言うと人間と同じ知能をつくる技術のことです。
これは単純に数字を計算するような能力ではなくて、
・人間のように創造的な処理ができる能力
・教えた以上のことができる能力
のことなんです。

ということはAI自身が考えて、分類したり、僕たちに提案したり、新たな発見するということができます。
なのでAIは、今までのシステムとは違って、人間に命令されて行動するのではなく、自分で行動し、結果を導くことが可能なんです。

AIの歴史

まずAIが新しい技術と思われている方も多いと思います。だけどAI自体は半世紀以上前からある技術なんです。

実は現在のAIブームは第3次AIブームと呼ばれています。第3次があるということは第1次と第2次AIブームもありました。おそらくほとんどの方が聞いたことないと思います。

私たちが知らない理由として第1次と第2次は一部の研究者の間だけのブームだったからです。それはなにか製品としての実用化レベルまで技術が到達していなかったためです。

では第1次と第2次、第3次はいつからか説明します。

第1次AIブーム

第1次は1950〜1960年代にかけておこりました。
第1次の特徴が「推論と探索」です。わかりやすくいうとコンピュータがゲームやパズルを解いたり、迷路でゴールへの行き方を調べるなどができる技術のことです。

聞いただけだとすごいと思いますが、この時代のコンピュータの性能はすごく低くて、ルールとゴールが厳密に決まっている枠組の中でしか動かないため、現実世界では全く役に立たないことがわかってきた。

迷路の場合ルールからはずれるルートが現れたらその当時のコンピューターはゴールにたどり着けなかったのです。ようるするに人間にプログラミングされたこと以上のことはできなかったんですね。

第2次AIブーム

第2次は1980年代に入り、家庭にコンピュータが普及したことにより起こりました。
第2次の特徴として「エキスパートシステム」が挙げられます。エキスパートシステムとは専門家が持っているような専門的な知識を、コンピューターにいれることで問題解決を行えるようにした技術です。

例えば、コンピューターに医者の代わりをしてもらおうと思えば、「医療に関する知識」をコンピューターに入れ、弁護士の代わりをしてもらおうと思えば、「法律に関する知識」を入れるということです。

で、当時はエキスパートシステムを使ったAIも医療・生産・金融・会計・人事などさまざまな分野で多く開発されました。そしてエキスパートシステムは一見うまくいったかのように見えました。

だけど膨大な知識を集めることが大変だったり、その膨大な知識を扱うためのルール自体も膨大だっため、そのルール同士が矛盾していたりとうまくいかなかったのです。

後、人間だと理解できるような常識を覚えさせるのが大変でした。たとえばエキスパートシステムを使って心理カウンセリングするとします。
「めちゃ病む」「疲れた〜」「緊張する」など曖昧な言葉の場合、どんな心理状態かAIは判断できなかったのです。

人間同士だと「めちゃ病んでる」と言われたら、その人の見た目、言葉のアクセントでだいたいどのくらい病んでそうかわかりますが、機械だとその人の見た目の状況はわからないので理解できませんでした。

なので、このような「常識レベルの知識」をコンピューターに理解させるのがすごく難しかったです。

こういった理由から第1次と第2次は、私たちの暮らしで役立つほどの性能がなかったので一部の研究者の間でだけ、ブームだったので私達は知らなかったのです。

第3次AIブーム

第3次は2006年〜現在まで続いています。
とくに2012年に「ディープラーニング」という技術が注目されて、AIが人間と同じように学習して、かつ人間と同じような仕事をコンピューターで実現できるようになったことで第3次がおこりました。

ディープラーニングを説明する前に、まずニューラルネットワークを説明します。

ニューラルネットワークとは簡単に言うと人間の脳にある神経細胞をモデルとした技術です。その神経細胞を真似ることによって、人間と同じような考えができるようになります。

次にディープラーニングですが、日本語では深層学習と言います。なのでディープラーニングはそのニューラルネットワークをより深く学習できるようにすることで、より賢く判断できるようにした技術のことです。

ニューラルネットワークとディープラーニングについて次の記事で詳しく説明していますので、そちらもぜひ見てください。

ここではニューラルネットワークとは、人間の脳の構造を真似たものディープラーニングとは、ニューラルネットワークが発展して賢くなったものと覚えておけば大丈夫です。

第1次と第2次と違って第3次AIブームでは、このディープラーニングの登場によって、現在数多くの製品が実用化されているので、このブームの存在を私たちが知っているのです。

 

汎用AIと特化型AIの違い

いま世の中には汎用AI特化型AIという2つのAIがあります。

特化型AIとは、あるごく限られた目的を達成するために作られたAIのことです。たとえば農家などで使われている商品に出荷できない不良品を取り除く野菜の検品AIや、webサイトにある問い合わせチャットボットなどある特定の分野でしか使われていません。特化型AIのことを「弱いAI」とも呼びます。

それに対して汎用AIとは、特定の作業だけではなく人間のように自意識や感情を持ち、自身で物事を考えて行動するAIのことです。

パッとイメージできるのはドラえもんやターミネーターです。また汎用AIのことを「強いAI」と呼んだりもします。

現在、完璧な汎用AIは世の中にありません。それどころか3歳児の能力に匹敵するコンピュータさえ生まれていません。
汎用AIができない理由として今までの経験から物事を作り出したり、行動したりするのが苦手と言われているからです。

「例えば今日は晴れですか?」とたずねて「今日は晴れです」と、だいたい回答が予想できるものはできますが、人間同士の世間話のように、回答がなく過去の経験や蓄積した情報から相手の言葉を理解し、自分の言葉として自由に会話することは今のAIでは難しいのです。現在の会話型AIの代表例の アレクサやsiriと本当に自由な会話ができないことからも私たちでも限界はわかりますね。

なので現在のAIは映画やアニメのようになんでもできるわけではなく、できることが限られています。
では今のAIはなにが得意なのかというと、分類といって大量のデータからルールやパターンを見つけることです。たとえば写真から猫や犬を見分けたり、たくさんのメールから迷惑メールを見分けたりすることです。

だけど人間も本当に創作しているんでしょうか?
本当に0から1を生みだしていますか?
私は人間も今までの経験や知り得た情報をもとに創作してると思います。たとえば音楽でもこれは今までなかったまったく新しい曲だと言われているものでも、実際は作曲者が過去に見てきたもの感じてきたものなど数多くの経験を組みあせて曲を生みだしています。

なので今後、技術がより進歩し、人間の脳を今以上に解析できたら、そういった人間の学習する行為自体を完コピするAIが生まれるかもしれませんね。

 

どういう技術が使われているか

現在、AIを実現する技術として機械学習が主流になっています。機械学習とは、人間が自然に行っている学習能力と同様のことをコンピューターで実現しようとする技術のことです。

機械学習がしていることは、人間がルールを与えるのではなくて、人間からもらったデータを元に、AI自身がルールを作りだします。
この人間が与えるデータはだいたい数万単位です。たとえば猫と犬を見分けるなら猫と犬の写真が数万枚必要ということです。それらの数万枚のデータを解析して、見分けるルールをAI自身が作り出し、犬か猫かを見分けるとができるようになります。

ここで重要なのは、この機械学習し終わったAIは、最初に与えられた数万のデータの中にはない新しい犬猫の写真を見ても判断できるところです。学習することにより、未知の画像を見ても判断することができるので、人間のような知能と言われるゆえんなんです。

機械学習には、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3種類の方法がありますが、そちらも次の記事で詳しく説明しています。

 

実社会でのAI活用事例

現在AIはいたるところで使われているので産業ごとに代表事例を少しだけ紹介します。

まずはコンピュータ業界からApple社のSiri。
Siriは音声アシスタント機能といって話すだけでスマホの操作を代わりにやってくれるAIです。iPhoneユーザーなら馴染みがあると思います。最近ではだいぶ人間らしく話すようになってきましたね。
あと意外に知られてないんですが英語翻訳もできます。使い方は「今日はいい天気ですを英語で訳して」と「(訳したい言葉)〜を英語で訳して」を付けるだけで訳してくれるので海外ですごく便利です。

次に製造業。
重工業や自動車製造業の工場などでは製品の外観検査での異常検知にAIが使われています。今までは工場のラインを流れてくる大量の製品を、検査担当員が目視で確認して出荷できない異常なものを取り除いていましたが、今ではAIが自動判断して取り除いてくれます。

次にテーマパーク業界。
ユニバーサルスタジオジャパンでは、AIによる顔認証技術を使った顔パスシステムがあります。これは年間パスを持っている人限定ですが、利用者に“セレブ感”をもたらしたり、年間パスで入場し置き引きを繰り返していた窃盗犯の検挙にも役立ったという実績もあります。

次に通信業。
NTTドコモはスマホの解約予兆をAIが察知して、解約する可能性がある顧客にお得なDMを発送して解約を未然に食い止めることをしています。

最後に航空業界。
旅客機メーカーのボーイング社は、パイロットを乗せずに飛行する自律型無人旅客機のテスト飛行させました。経験豊富なパイロットの不足問題に対応できると言われています。

このように、現在いろいろな業界でAIが大活躍しています。

AI社会で生き残る術

現状ではAIは私たちの仕事を奪っていく存在ではありませんが、今後AIの発展によって、なくなる仕事もあると言われています。ほぼ高確率で将来、新しいAIの導入によって仕事の形が変わったり、人間がやっていた作業がどんどんAIに置き換わってきます。

なので、ここではこれから先、AIが発展した未来を生きるヒントをお伝えします。それはAIに使われる側の人材ではなくAIを使う側の人材になるということです。
ではその使う側の人材について3つ説明します。

1.適材適所にAIを開発し配置する人

AIを開発する人はもちろんですが、データを集める人も必要です。
現在のAIはとにかく大量のデータが必要で、たとえば日本人とアメリカ人を見分けたければ日本人とアメリカ人の画像を数万枚必要になってきます。
そういった課題にフィットしたデータを効率よく集めることができる人も求められると思います。

2.AIをその都度チェックし育てる人

開発された状態のAIをそのまま何年も使うことはありません。
運用途中でも間違いなどあればその都度、人間が調整してAIに学習してもっと頭をよくしてあげなければなりません。そういったAIを運用しながら教育する人も必要になってきます。

3.AIを売る人

AI関連の営業職は今もありますが、今後需要はもっと増えると思います。
自社AIを売るだけではなく、お客様によりそってお客様の課題を解決できるAIシステムを提案する営業スタイルもどんどん増えていくでしょう。
対面式の営業をAIでするのは厳しいと思いますので無くならない仕事の一つと言われています。

以上3つはAIを使う側の人間の仕事です。この3つの需要が今後増えていくと予想されています。

ちなみにデザイナー、ダンサーなどAIでは表現が難しいクリエイティブな仕事は、今後収入が上がっていくと言われてる職業です。YouTuber、プログラマーなども今からだといいですね。

そしてAIによってなくなる職業についてですが、オックスフォード大学の教授が発表した10年以内に消えるであろう職業を論文に詳しく書かれていますので、気になる人はネットで調べてみてください。

また職業自体はなくならないけど、職業の中のこのタスクだけなくなって人員が減らされるというリスクもあります。
たとえば警察官という職業はあるけど、パトロール業務は街中に設置されてるAI搭載防犯カメラに取って代わったり、車の自動運転化に変わって交通違反がなくなったりで、大きなリストラが発生する可能性はすごく高いです。

なのでそういった事態に対応するために私がどうやって生きていくのか一人ひとりが考えることは絶対必要ですね。

未来に起きること

最後に私が考える未来に起きることを予想してみます。

今のAIの欠点は今までの経験から物事を作り出したり、応用して行動するのが苦手なことです。ということは人間の方が経験からの理解力は高いけど、AIの方が計算能力や記憶力が高いということになります。

なので将来もしかしたら人間の頭に異常に計算能力の高いAIコンピューターが埋め込まれる可能性はあります。

例えば、そのコンピューターが常にオンライン状態でクラウドと接続してて、大量の物事を覚えられたりできたり。そうなったらもう受験や資格試験などなくなりますね。

あと、たとえば僕がディズニーランドまである行き方を想像したら、頭の奥でAIがこういった行き方のほうが早く着きますと自動返答したり。

アイアンマンのジャービスみたいに、ひまなとき話し相手になってくれたり。

こんな風に人間の脳の性能アップができることを考えたら、未来が楽しみになってきますね。

第3次AIブームでいろんな産業でAIが活躍している現代ですが、間違いなく将来まだまだ無限の可能性があります。

AI入門・前編まとめ

最後に今回のAI入門・前編をまとめて終わりたいと思います。

まとめ
・AI自体は60年前からある概念

・ドラえもんのような自意識をもつ人形ロボットはまだ難しい

・現在AIはいろんな産業で活躍している

・AIに使われる側の人材ではなくAIを使う側の人材になろう

・まだまだAIに無限の可能性がある


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