今回は2020年3月14日に開業したJR山手線の新駅、高輪ゲートウェイ駅のシステムについてレポートしていきたいと思います。
実はこの駅は未来の駅をコンセプトにしており、多くのAI技術を使った駅としてもアピールしているんです。
今回はその高輪ゲートウェイ駅に2回足を運んでみて調査してきたので、どういったテクノロジーが使われているかを5つの近未来ポイントとしてレポートします!
目次
開業日レポ
開業日は夜20時過ぎに訪れましました。
このときはコロナの影響はそんなに深刻ではなく改札内外は人であふれていました。
特に改札外では開業初日の記念切符を買う人の長蛇の列です。
180分待ちとのことでした。コロナ禍の4月では考えられないことですよね。
また他の駅にはない近未来なデザインの駅舎は夜だとライトアップされ、より綺麗でした。
下記に開業日レポの動画を貼っておきますので、よければ見てください。
近未来ポイント1:AIさくらさん
まずはじめはAIさくらさんというAIコンシェルジュを紹介します。
高輪ゲートウェイ駅には4台のAIコンシェルジュがあり、改札内では「小石川彩」さんと「EMIEW3」、改札外では「渋谷さくら」さんと男性駅員のデジタルサイネージが設置されていました。
設置理由としては、近年JR東日本グループの人手不足が深刻で、駅員の負荷を減らすため、 AIデジタルサイネージを設置したというわけです。
なのでこういったAIデジタルサイネージは高輪ゲートウェイ駅だけではなく、乗客数の多い東京駅、品川駅、羽田空港などにも設置しています。
まず改札外にある渋谷さくらさんから。
近くのコンビニやレストランなどの基本的な店舗情報や乗り換え案内を4カ国語でアナウンスしてくれます。
前までは年齢、住所、職業なども質問すると答えてくれてたみたいですが今は答えてくません。会話に夢中になって後ろに行列ができたりするのを防止するためだと思われます。
SNS上では年齢や彼氏の有無など聞く輩が現れて、セクハラではないのかと問題にもなっていましたね笑
次にAIさくらさんの横にある男性駅員。
こちらは見た目がリアルですね笑
できることは同じですが、不人気なのかこちらの人物には名前さえもありません。
次に改札内にある小石川 彩さん。
こちらは見た目が完全にギャル笑
できることはAIさくらさんと同じですね。
ちなみにこのさくらさん、ティファナ・ドットコム社の「AIさくら」という汎用システムを使用しており、用途に応じてキャラクターのカスタマイズが可能です。
なので現在、駅以外にもホテル、ヘルプデスク、自販機などにも導入されています。
自販機でも4か国語に対応しており、商品の情報だけでなく、利用ユーザーの属性、気温、時間帯などに応じてオススメ商品を紹介しています。
AIさくらさんの初期導入費用は90万円で、その後できることに応じて月額38万円〜94万円まで変動するサブスクモデルとのことです。
下記はAIさくらさんのレポート動画です。
近未来ポイント2:TOUCH TO GO
次に無人AI決済コンビニの第1号店となるTOUCH TO GOに実際に行ってきました。
だけどコロナウイルスの影響でちょうど休みだったんですよね涙
外側だけですけどどんな感じのシステムなのかをレポートします。
こちらがTOUCH TO GOの外観。
見た目はシースルーで開放感があり、広さはちょっとしたコンビニくらいですかね。
どっちにしろ入れませんが、許可なく店内での撮影は禁止されています。
早速、TOUCH TO GOがどういったシステムかを説明します。
こちらの入口から一人ずつ店内に入ります
※同時に入店できる客の数は10〜15人とのことです
次に商品ゾーンで購入者はほしい商品を手に取ります。
購入する商品をすべて手に取ったら購入者は会計コーナーに向かい、そこにあるタッチパネルであとは会計するだけです。
もし持っている商品が間違えていた場合は、ここで手動で修正もできます。
要約すると購入者は店内に入り、商品を取って商品を専用バッグに入れ、出口にあるタッチパネルでモバイルSuicaなどのICカードで会計するだけです。
なぜこういったことができるかというと、こちらの店舗、店内にある約50台のセンサーカメラと重量センサーなどで人と物の動きを捉えることができるんです。
しかし客が入店したときはカメラで認証せず、入店後に客が商品を手に取ったときにはじめてそこで商品とその購入者を認識します。
そして出口にある決済エリアに購入者が立つと、カメラからの情報を元にタッチパネルに自動で商品と購入金額を表示させることにより、購入者はICカードを読み取り機にかざすだけで会計ができ、そのままお店を出ることができるという仕組みです。
決済に関しては完全キャッシュレスとして、今の所は交通系電子マネーのみに対応していますが、今年の6月ぐらいからはクレジットカード、その他の電子マネーにも順次対応していく予定とのことです。
現金については回収費用などがかかるため導入の予定はないとのことなので完全キャッシュレス決済で運営していくんですね。
スタッフが常駐していないことが売りですが、実際には品だしや商品の発注などがあるため、バックヤードにはスタッフが1人常駐しています。
この店員と購入者との区別については、「バックヤードから出てきた人は店員」としてカメラが認識し続けることで対応できるとのことです。
取扱アイテム数は約600品目に及び、弁当、惣菜、調理パン 、菓子、カップ麺、飲料、日用品などコンビニで取り扱うような商品に特化しています。
最近、スーパーなどではセルフレジが増えてきましたが、セルフレジだとレジでいちいちバーゴードをスキャンする作業を購入者がする必要があります。
もちろんTOUCH TO GOではそういった作業をする必要はないので購入者から見たらノンストップで購入できることがメリットですね。
ちなみにAmazon GOでは入店前にアプリをダウンロードしてクレジットカードを登録しなければいけないなど、入店するまでのハードルがあります。
なのでTOUCH TO GOは入店のしやすさを重視したんだと思います。
実はこちらの店舗、2017年に大宮駅で、2018年に赤羽駅でテスト店舗をオープンしていました。今回は満を持して常設展をこの高輪ゲートウェイ駅にオープンしたいうことです。
将来、TOUCH TO GO社はこの無人AI決済システムを一般の小売業や飲食業に提供することを想定しており、現時点では初期費用なしの月額80万円程度のサブスクリプションモデルを採用する予定とのことです。
TOUCH TO GOができた背景には昨今、小売業界では人手不足、人件費の高騰、従業員の長時間労働などが深刻化し、実店舗の維持が難しくなってきています。
だけどこの無人AI決済システム取り入れることによってレジや接客などが必要なくなるので、これらの問題を解決できるんではないかと考えられています。
また万引きも技術的には難しい仕様になっていますのでぜひ普及してほしいですね!
下記はTOUCH TO GOのレポート動画です。
近未来ポイント3:6種類のロボット
次に構内の清掃、怪しい人がいないかを調べる警備、乗客案内などを担当する6種類のロボットを順次、稼働させる予定とのことです。
たとえば清掃ロボットは深夜に自律走行で約2000平方メートルの駅構内の床を掃除できます。
私が行ったときは下記の警備ロボットが構内を巡回していました。
構内に怪しい人がいたら、警備員に知らせたり、警報を鳴らしてまわりへ周知させる機能もあるとのことです。
こちらの日立製作所のAI案内ロボット「EMIEW3」は、日英中韓の4カ国語で案内業務ができます。
近未来ポイント4:鉄道テラスビジョン
また改札内の東側にあるイベント広場には「鉄道テラスビジョン」が設置されています。
18面のディスプレイと柱状のサイネージ12枚からなる大型のデジタルサイネージで、高さは約5メートル、幅は約14メートルあります。
こちらには高輪ゲートウェイ駅が建つ地の過去と目指す未来など表現した映像を放映予定とのことです。
また別件ですが、トイレの姿見には季節感などが感じられるサイネージミラーを採用しています。
近未来ポイント5:タッチしやすい自動改札機
最後は車椅子の方でもタッチしやすい自動改札機です。
ICカードのタッチ部分を横にしたことで車椅子の方でもスムーズに通ることができます。
またQRコードによる改札機利用のモニター評価実験を今後行う予定です。
山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅まとめ
いかがでしたでしょうか?
今までにない駅の取り組みが多かったですね!
今後この駅がモデルケースになり、新しい駅ができていくんでしょうね。
まだまだこれらは試験段階ですが、試行錯誤して私たちの生活にもっと取り入れられてほしいと心から願っています。
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