日本人ITエンジニア・プログラマにとって英語は絶対通らないければいけない大きな関門です。
もちろん日本で働くエンジニアも同じです。
その理由ですが、日本で働いてる場合でも、Web上で手に入る技術関連のドキュメントは英語で書かれていることが多いためです。
それはIT発展の中心地はアメリカだからです。なので必然的に最新情報は英語で書かれます。
中には日本語に翻訳されているドキュメントもあるでしょう。
しかし翻訳されているのはだいたいは古い情報ばかりで、新鮮な一次資料になるほど日本語に訳されていません。
また機械翻訳によって翻訳スピードは上がりましたが、機械翻訳自体の精度がまだ低いため、不自然な日本語であったり、意味合いが違ったりもよく見かけます。
なら、あなたは日本語に翻訳するのを待ちますか?
おそらくNOと言いたいはず。だって多くの人が思うでしょう。新しい情報が手に入らないことは情報化社会においては命取りだと。
私たちが生きる現代は、いかに早く新鮮な情報を掴んだ者こそ次世代の覇者になる仕組みが成立してるからです。これは皆様も重々承知だと思います。でも実際には、「忙しい」や「他の勉強の方が大事」など理由をつけて英語を避けてるエンジニアも多いのではないでしょうか。
たとえば、あなたは下記の点で困ったことはありませんか?
開発者向けの公式ガイドを見たが、英語の長文のためどこを読めばいいか分からない
海外の製品やアプリでトラブルが起き、解決法をネットで調べてみたがすべて英語記事
外国人とのメールのやり取りで、翻訳サイトで英訳した文章を送ってみたが、こちらの意図がちゃんと翻訳した文章に反映されているか不安
いかがでしょうか?
上記は一部分ですが当てはまる方も多いのはないでしょうか。
もし一つも当てはまらなく、英語でピンチになったことがない方は、『もうすでに英語ができる』か『英語の必要としない仕事内容』のため、この記事を読む必要はありません。
今回の記事は主に、欧米の最新情報を最速で手に入れたい、外国人エンジニアとコミュニケーションを取りたいITエンジニアのための英語勉強法をご紹介していますので。
目次
英語の『聞く、話す、読む、書く』でまず何を勉強すべきか
英語には4技能(聞く、話す、読む、書く)という4つの技能と、それぞれにあった勉強方法があります。
ITエンジニアに必要な技能を優先順位で並べると、まず一番大事なのは『読む』、その次に『聞く』、その次に『書く』、最後に『話す』になります。
なぜ『読む』が一番重要かというと、まずは海外サイトのドキュメントやニュースを読めるようにし情報を手に入れるためです。
まただいたいの最新テクノロジー情報は、まずネットの記事として世の中に公表されます。
その次に『聞く』ですが、これはYouTubeの普及で動画需要が増えたことにより、海外のITカンファレンスや新商品発表の動画がYouTubeに多数UPされるようになったためです。
動画の場合はどうしても英語を聞くことで情報を得るしかありません。
その次に『書く』ですが、これは外国人クライアントとのメールのやり取り以外でも、ネット上で海外エンジニアと情報交換する際に必要です。
たとえばTwitter、Q&A、掲示板、GitHubなど、いまや多数の交換の場があります。
それに読む聞くは受け身ですが、書くことにより自発的に情報を手にすることができます。
最後に『話す』ですが、これは多くの日本在住エンジニアには必要ありません。しかし将来、海外支社や外資系企業、海外で働きたい方には必須になる技能です。
また日本企業の中には社内では日本語禁止で英語しか話してはいけない会社もあります。
このような理由で『読む → 聞く → 書く → 話す』の順に勉強していけば、きっと幸せになれます。
ITエンジニアのための英語リーディング勉強法とは
まずは読む力(リーディング)からです。
リーディングは一番大事です。
まずこれができないと海外から技術情報を手にすることはできませんから。
一番はじめにしっかりリーディング力を身につけましょう。
ここではリーディング能力の鍛え方についてご紹介します。
中学英文法からスタート!
社会人になってから、まったく英語に触れていない人はまず中学英文法からスタートしましょう。
最低限、中学までの文法はマスターしておくべきです。
英文法は下記のテキストが世界一わかりやすいので、これで勉強すると幸せになれます。
外大で英語を専門で勉強してた私から見ても、これ以上わかりやすい中学英語テキストはないと思います。
できれば、その次にTOEICの文法と英単語も一通り勉強しておきましょう。というのもTOEICはビジネス英語を元に作られているためです。
TOEICについては以下を参考にしてください。
文法の学習はこのくらいで十分です。
IT英語を読む
次にIT英語の学習に入っていきます。
というのも一般的な英語とIT英語方法は別物だからです。
たとえば日本人であっても日本語の医学論文をスラスラ読めるでしょうか?
おそらく医療用語や論文の文章構成を理解していないので読むことはままならないはずです。
これと同じでIT英語を学ぶ上で、特有の専門用語やドキュメントごとの文章構成を事前に知っておく必要があります。
IT英語はこれらを網羅的に学習していきます。
ITに関する専門用語の英訳については下記の記事にまとめてますのでそちらをご覧ください。
上記の専門用語は最低限です。
あとは実際にドキュメントを読みながら語彙力を伸ばしていってください。
また英単語については下記の英単語帳がおすすめです。
英語ドキュメントをスムーズに読むためには95%以上をカバーできれば良いとされていますが、これは約10,000語の英単語が必要だといわれています。
こちらの英単語帳はシリーズもので、vol.4まで到達すると最終的には12,000語をマスターできます。Vol.3までマスターすると英字新聞・雑誌がすらすら読めるレベルとのことです。
その次に文章構成についてですが、安心してください。本当にベストな本があります。
下記の本に文章構成からエンジニアに必要な英文法まで、リーディングに関することはすべて網羅されています。
すべてのIT英語のリーディングに関してはこの一冊でほぼ完璧にマスターでき、ライティングの勉強方法についても書かれている神本です。
またAPIリファレンス、ニュース、技術ブログ、契約書、アプリのレビューなどあらゆるドキュメントの読み方も教えてくれます。
この本の書評も書いていますので参考にしてみてください。
ITエンジニアのための英語リスニング勉強法とは
次に聞く力(リスニング)です。
YouTubeの普及によって海外カンファレンス・イベントの動画を無料でいつでも観れる時代になりました。
しかし読むことはある程度できるけど、聞きとることが難しいエンジニアも多いと思います。
ここではリスニング能力の鍛え方についてご紹介します。
YouTubeで聴く
あまり知られていませんが、YouTubeには英語字幕を付ける機能があります。
英語字幕があることにより、リスニングの手助けになります。
設定の仕方は簡単。
画面右下のアイコンの一番左にある『字幕 (c)』をクリックするだけ。
スタディサプリで聴く
スタディサプリとは、リクルートが開発した効率的に英会話が学べる英語アプリです。
これのいいところは、『ビジネス英語を学べる』『最低3分のスキマ時間で学習できる』『リスニングだけではなくスピーキングも学べる』などここに書ききれないほど多数あります。
またドラマを見るような感覚で学べたりと飽きることなく英語を学べるのが大きな特徴です。
» スタディサプリEnglish【ビジネス英会話コース】公式ページを見る
» スタディサプリEnglish【TOEIC対策】公式ページを見る
» スタディサプリEnglish【パーソナルコーチプラン】公式ページを見る
Amazonオーディブルで聴く
Amazonオーディブルとは、イヤホンをつけて本の朗読を聴くことができるAmazonが運営しているサービスです。
和書だけではなく、なんと洋書も5万タイトル以上揃っています。
また聴くだけなので通勤時間やランチ時間などのスキマ時間にリスニング学習ができます。
Amazonオーディブルについては以下の記事を参考にどうぞ。
ITエンジニアのための英語ライティング勉強法とは
次に書く力(ライティング)です。
英語でのライティングができると、メールはもちろん海外Q&Aサイトやコミュニティサイトへの書き込みができるようになります。
そうすることにより積極的に海外エンジニアと絡んで知識を得ることができるようになります。
ここではライティング能力の鍛え方についてご紹介します。
書き写し・模写
一番やりやすいのは英語記事の『書き写し』勉強法になります。
これはあなたがこんな感じで書きたいなぁと思う文章をネットで探して、とにかくノートなどに書き写すだけです。
この勉強法は量が大事になってきます。書いて書いて書きまくることで、いつの間にかスラスラと英文を書くことができます。
IT英語なら海外のIT系ニュースサイトを参考にしましょう。下記でアメリカの主なニュースサイトをご紹介しています。
ビジネス文章を書く
ビジネス系に特化した英語ライティング本としておすすめの本があります。
それはこちらです。
英語ライティング本は世に多数あれど、ビジネス系に特化した書籍はあまりありません。
この本では、問い合わせへの回答、オフィス文章、報告書などビジネスに関係のあるライティングを網羅的に学べます。
ベストティーチャーで書く
ベストティーチャーとは、「書いて、話す」ことをレッスンのメインにすることにより、日本人が苦手な『アウトプット』を鍛えられるオンライン英会話スクールになります。
ライティングとスピーキングを両方鍛えらる日本唯一のスクールなので、正しい英文法とスピーキングを一緒に学べるユニークなスクールです。
ここで学ぶことにより、書いた英文をオンライン上で講師が添削することにより適切な表現を身につけられるので、海外サイトへの書き込みでも、自分の考えを正しく相手に伝えることができるようになります。
ITエンジニアのための英語スピーキング勉強法とは
最後に話す力(スピーキング)です。
日本企業に在籍しているとスピーキングはあまり必要ではありません。
ですが、将来海外で働きたい、外資系企業で働きたい方は一早く準備しておくべきでしょう。
スピーキングを身につけるには半年みっちりやれば簡単な会話くらいはだれでもできます。
そのために一番おすすめなのはオンライン英会話です。
オンライン英会話の3大メリットは『料金が安い』『いつでも受けられる』『自宅から生の英語に触れられる』です。
特に低料金が実現した理由には、経済格差や通信技術向上といった背景があり、今の時代だからこそ実現できるシステムです。
正直やらない手はありません。
長い人生の中の半年だけの学習で一生役立つスキルが身につくんですから。
ビジネス英会話のスクール比較は以前記事にしてるので下記を参考にしてみてください。
ITエンジニアが英語で読むドキュメントの種類一覧
まずはリーディングが一番大事とお話しました。
ではエンジニアが読む必要がある英語のドキュメントにはどんな種類があるのでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう。
当たり前ですが外資系企業にお勤めの方や海外クライアントとのやり取りで絶対必須です。
仕様書とは「何を作るのか?」を説明した資料のこと。設計書とは「どうやって作るのか?」を説明した資料のことです。
海外案件の開発で必要になってきます。
海外のトレンド、最新情報を知る上で毎日読むべきです。
海外の有名エンジニアの技術ブログやTipsページなど。
読めると一気に見識が広がります。
開発したアプリや使おうとしてるアプリのユーザー評価を知ることができます。
製品やアプリの説明書から、エンジニア向けの保守マニュアルまで今ではほとんどがネットで閲覧できます。
ユーザーガイドやマニュアルも同じ意味です。
エンジニア向けのQ&Aサイトでは、技術について質問をすると世界中のエンジニアから回答がもらえます。
APIリファレンスとは、APIによる開発方法やクラス内メソッドの使用方法を解説した説明書のことです。
業務委託契約書、ソフトウェア使用許諾契約書などの各種契約書のことです。
英語学習で役立つ便利ツール
こちらではエンジニアが英語を使う上で役立つ便利ツールをご紹介します。
Weblio英和・和英辞典はネット上で意味を調べることができるオンライン辞書です。
Weblioの良いところは複数の辞典をまとめて検索できるところです。その中には英語だけではなくITに特化した辞書も含まれます。
IT用語を調べたい場合は、ページの下部までスクロールしてください。
ポップアップ辞書とはインストールすると、単語にカーソルを合わせるだけで単語の意味をポップアップでリアルタイムで出してくれます。
いちいち調べる必要がないため、英文記事を読む上で欠かせない最強の神ツールです。
ちなみに正式名称はMouse Dictionaryと言います。
もはや説明不要ですね。
Google翻訳とは、テキストや写真の文章を瞬時に翻訳してくれるアプリです。対応言語はなんと108言語。
また音声認識もできるので、アプリに日本語で伝えたいことを話しかけることで、相手の言語に瞬時に翻訳してくれます。
なんとオフラインモードでも使用できる神アプリです。
日本人ITエンジニアのための効果のある英語勉強法まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はITエンジニアのための英語4技能の鍛え方について、まんべんなく書きました。
しかし、一気にすべて勉強する必要はありません。
あなたの必要になりそうな部分から勉強してみてください。
あと最後に言わせてください。
半年だけでいいです。
とりあえず英語学習を半年やりとげてください。
半年だけでも、やりとげたあとから見える世界は確実に違いますから。
すべての日本人ITエンジニアが英語を使えますように!
ほかのIT英語に関しては「IT英語まとめページ」をご覧ください。