魅惑のドイツ旅行〜おすすめスポットまとめ〜

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2024年7月、私は10年越しの夢だった「ドイツ横断ロードトリップ」に踏み出しました。鉄道旅ではなく、都市から田園へ、そして山岳へと景色が移り変わる瞬間を味わいたくて、ケルンからミュンヘンまで列車とレンタカーを組み合わせる欲張りプランを決行。さらに帰路にはドーハで乗り継ぎ時間を利用した短い寄り道も挟みました。以下、訪れた名所を巡った順番そのままに、胸に刻まれた場面をありのまま綴ります。

目次

ケルンのおすすめスポット

ホーエンツォレルン橋


ケルン中央駅を出ると、すぐ目の前にライン川を跨ぐ鉄骨のアーチが姿を現します。歩道柵にぎっしり掛けられた南京錠は、朝日に照らされて宝石のように煌めいていました。列車が上を通過するたび風が唸り、橋脚を伝って深いバイブレーションが足裏へ届きます。「長い旅の鍵」を自分の心に掛けたような気分で渡り切りました。

ケルントライアングル・パノラマ展望台


ライン川東岸の高層ビル最上階のテラスからは、ケルン旧市街が掌の上に載るように見渡せます。大聖堂の双塔、橋を行き交う列車、遠くに続く工業地帯……。薄曇りでも視界は抜群で、街全体が模型のように精緻でした。ガラス越しではなく吹きさらしのデッキなので、風の冷たさと街の息遣いを同時に感じられたのが印象的です。

ケルン市ナチス記録センター(EL‑DE Haus)


昼下がり、石造りの重々しい建物に足を踏み入れると内部は静寂。地下の留置場には囚人が刻んだ鉛筆書きの走り書きがそのまま残っていて、時間が止まった空気が肌にまとわりつきました。歴史の暗部と向き合うことで、観光地としてのケルンが立体的になった気がします。

ケルン大聖堂


夕暮れどき、灰色の尖塔がオレンジ色の光を浴びて燃え立つように輝きました。内部は祈りの声が反響し、ステンドグラスから差す七色の光が床石に花を咲かせます。500段超の階段を息を切らして登り、塔の上で見たライン川の流れは静かで悠然。信仰と建築、そして街の鼓動が交差する瞬間でした。

アーヘンのおすすめスポット

アーヘン大聖堂


ケルンから快速列車で西へ移動し、国境の町アーヘンへ。八角形のパラティン礼拝堂は、カロリング朝の威光を今も放ちます。金と紺碧のモザイクに囲まれながら、千年以上前の皇帝の視線を想像すると背筋が伸びました。

Nobis(アーヘン名物プリンテン)

大聖堂から伸びる石畳を歩き、老舗菓子店Nobisへ。シナモンやクローブを利かせたプリンテンの甘くスパイシーな香りが通りに漂い、つい足が止まります。焼きたてを頬張ると、外はカリッ、中はしっとり。旅の疲れを一瞬で吹き飛ばす素朴な味でした。

Elisenbrunnen

温泉町の名残を感じる新古典主義の円柱ホール。硫黄を含む湧水の香りは強烈ですが健康に良いとのことで、地元の人がマイボトルに汲んでいるのが印象的でした。私も恐る恐る一口。独特の風味を体験し、「旅の味覚ランキング」でも忘れられない存在になりました。

ボンのおすすめスポット

ボン旧市街

ライン川を再び南下。ケルンほど観光地化されていない分、静謐な路地にドイツの昔日の面影が色濃く残ります。カフェのテラスで地元学生と相席になり、ドイツ語と英語を交えた雑談が弾みました。

ベートーヴェン記念碑

ミュンスター広場中央で堂々と立つ銅像は、想像より小柄ながら眼光鋭く、楽聖の内なる情熱が伝わってくるようでした。周囲には花壇が整えられ、ベンチには楽譜片手にスケッチする青年も。音楽の都の空気を肌で感じる瞬間です。

ベートーヴェンハウス

生家は質素な木造。しかし内部展示は超充実で、直筆譜面や当時の楽器がずらり。オーディオルームで交響曲第九を聴きながら、数百年前の息吹を体感しました。

ボン大学

黄と白のバロック様式本館は美術館のような気品。中庭に学生が寝転び読書している光景は、長い歴史と自由な学風が溶け合う象徴に見えました。夕刻の柔らかな光がファサードを染める情景は絵画的です。

ヨーロッパパークについて


翌日早朝ICEで黒い森地方までワープ。広大なテーマパークは国別エリアが連続し、ジェットコースター好きの私には天国。特に「ブルーファイヤー」は宙返りと急加速が快感で2回連続乗車しました。園内レストランのシュヴァルツヴァルダーキルシュトルテも絶品です。

フランクフルトのおすすめスポット

クラインマルクトハレ市場


フランクフルトに着くや否や、まずは腹ごしらえ。色とりどりの野菜、ハム、チーズ、世界の惣菜が所狭しと並ぶ屋内市場は食の迷宮。イベリコハムのサンドを片手に地元ワインを試飲し、文字通り「胃袋で街を理解」しました。

エッシェンハイマー塔

旧市壁の名残としてそびえる中世の塔。ガラス張りの近代ビル群の中に一本だけ時代が違う尖塔が刺さっているようで、時間のコントラストが鮮烈です。

レーマー広場

木組みの家々が並ぶ三角屋根の景観は、写真で見るより色彩が豊か。広場端のベンチに座ってプレッツェルを齧りながら、石畳を軽やかに歩く地元の子どもたちを眺めました。

フランクフルト大聖堂

外観は赤砂岩の重厚さが際立ちます。尖塔からの景色は高層ビル群とマイン川が絡み合い、「金融都市の顔」と「帝国選挙の舞台」という二面性を一望できました。

鉄の橋(アイゼルナー・シュテーク)

夕方、マイン川に映る逆さフランクフルトを眺めながら歩くと、観光クルーズ船の汽笛が橋桁に反響し、都会の喧騒が水音と混ざり合います。

Bitter & Zart Chocolaterie

1930年代の薬局を改装したクラシックなチョコレート専門店。店内の木製キャビネットに色とりどりのボンボンショコラが並び、香りだけで口角が上がります。ダークチョコとジンジャーの組み合わせが新鮮でした。

パウロ教会(聖パウルス教会)

ドイツ初の国民議会が開かれた場所で、円形内部の赤レンガが柔らかさを演出。展示パネルを読み進むうち、ドイツ民主化の胎動と現在の自由が一本の線でつながりました。

Wacker's Coffee Shop

創業1914年。飾らない店構えに世代を超えた常連が集います。深煎りのアロマが鼻腔をくすぐり、カウンター越しに「再びの来独を」と笑顔で勧めてくれるバリスタ。旅人にとってこういう店はオアシスです。

ゲーテハウス

文豪ゲーテが生まれ育った四層の邸宅は、当時の生活空間が細部まで復元されています。書斎の窓辺に立つと、中庭の緑に視線が吸い込まれ、彼が詩想を練った情景と重なりました。

旧オペラ座

ネオルネサンス様式の白い殿堂。夜になるとライトアップで金色に浮かび上がり、楽都の象徴らしい華やかさを放ちます。広場では若者がスケートボードを楽しみ、文化と日常が自然に交差していました。

Trattoria i Siciliani

旅の締め括りにイタリアン?と思われるかもしれませんが、地元で評判と聞き訪問。手打ちパスタにフランクフルト産グリーンソースを合わせる遊び心が光り、ドイツの食材とシチリアの太陽が皿の上で共演していました。

ロマンティック街道沿いのおすすめスポット


フランクフルト空港近くでレンタカーをピックアップし、いざ南へ。畑と森が連続するアウトバーンを走ると、速度無制限区間の爽快感に思わず笑みがこぼれます。ちなみにロマンティック沿道沿いのアウトバーンは制限区間の方が多かったです。それとドイツは速度違反については厳しいのでご注意を。

ヴュルツブルク

マリエンベルク要塞が見守るぶどう畑の町。レジデンツ宮殿の階段室フレスコ画は圧巻で、上を見上げたまま首が固まるほどでした。

ヴァイカースハイム城

バロック庭園の幾何学模様が完璧に整い、噴水と彫像が宮廷文化の洗練を今に伝えます。観光客が少なく、孔雀の鳴き声だけが響く静寂の午後を独り占めできました。

ローテンブルク


城壁に囲まれたおとぎ話のような街並み。夜警ツアーに参加し、ランタンの灯だけを頼りに石畳を歩くと、中世へタイムスリップした気分です。

中世犯罪博物館


鉄の処女や恥辱マスクなど、背筋が寒くなる展示がぎっしり。ところが解説は学術的で、司法史への興味が刺激されました。「見世物」で終わらせない姿勢に好感が持てます。

ディンケルスビュール

ローテンブルクと並ぶ木組みの町ですが、観光バスが少なく素朴さが魅力。市庁舎前で開かれていた青空マーケットで蜂蜜ビールを購入し、一休みしました。

ネルトリンゲン

隕石クレーターの縁に築かれた円形都市。教会塔「ダニエル」から街を見下ろすと、オレンジ色の屋根が同心円状に並び、宇宙規模の地形と人間の営みが重なります。

アウクスブルク

フッゲライ(世界最古の社会福祉住宅)は、今も低家賃で運営されていることに感銘。ルネサンス都市の繁栄と隣人愛が現役で続く姿勢に胸が温かくなりました。

フュッセン – リュイトポルトパークホテル

アルプスの麓、滞在先は森を背負う優雅なホテル。白夜に近い夏の夕闇、テラスで聴く小川のせせらぎが旅の疲労を溶かします。ベッドに沈みつつ「明日はついにあの城だ」と胸が高鳴りました。

ノイシュバンシュタイン城


朝靄の中、マリエン橋から見上げる城は雲を裂いて浮かぶ白鳥のよう。内部ツアーではルートヴィヒ2世のワーグナー愛が壁画と調度品から溢れ、時間が足りないほどでした。

ヴィース教会


牧草地に突然現れるロココ装飾の宝石箱。外観は質素でも内部の金彩とフレスコの渦は圧倒的で、信仰と芸術の調和に息を呑みました。

リンダーホーフ城

ルートヴィヒ2世唯一の完成宮殿。ムーア様式の噴水洞窟と鏡の間は幻想的で、王の夢想を肌で体験する空間です。

ミュンヘン近郊のおすすめスポット

ミュンヘンでレンタカーを返却

都会の交通量をクリアし、中央駅近くの営業所でレンタカーを返却。メーターを確認すると約600 km走破。名残惜しさと達成感が入り混じる瞬間でした。

マリエン広場


新市庁舎の仕掛け時計を見上げる観光客で大賑わい。私は路上パフォーマーの演奏を聴きながら、バイエルンの青と白の旗が風にたなびく様子をスケッチブックにメモ。

ニンフェンブルク城

運河沿いに白亜の宮殿が広がり、フランス式庭園の視界は果てしなく続きます。馬車博物館で見たルートヴィヒ2世の豪華な金張りそりは、冬の王国を想像させました。

Therme Erding

市電とバスを乗り継ぎヨーロッパ最大級の温泉施設へ。プールバーでパイナップルジュースを飲みながら波のプールに揺られ、旅の緊張が一気に解けました。全長365 mのチューブスライダーは童心を呼び覚まします。ちなみにサウナ室では男女とも全裸になる必要があるのでご注意を。

ダッハウ強制収容所記念館


ミュンヘンからSバーンで30分。静かな樹木の影がバラック跡に落ち、蝉の声さえ遠慮がちに聞こえました。展示を読み進めるうち、理解よりも沈黙が深く心に刻まれます。

バイエルン国立歌劇場でオペラ鑑賞


夜はロッシーニ《セビリアの理髪師》。柔らかな赤いベルベットの座席、黄金のバルコニー、そして完璧なアンサンブル。カーテンコールで観客が一斉にブラボーを叫ぶ中、「旅のクライマックスは音楽」と確信しました。

バイエルン国立博物館


ルネサンス絵画から中世の武具、シュヴァルツヴァルトの聖母像まで10万点超。特にクリスマス・クリッペ(キリスト降誕の人形群)のコレクションは規模、精巧さとも世界随一です。

新市庁舎

最終日の朝、塔のエレベーターで上へ。オレンジ色の屋根が朝日に光り、遠くアルプスの稜線が霞む風景は絵画のよう。これでドイツとしばしのお別れかと思うと、胸にじんわりとした寂しさが広がりました。

ドーハ(一夜のトランジット)


カタール航空機でカタールへ飛び、深夜のハマド国際空港で一息。近未来的な巨大ベアのオブジェに圧倒されつつ、トランジットの時間は7時間ほどあったので夜の観光にでかけました。スーク・ワキーフの異国情緒とスパイスの香り、コーニッシュの摩天楼が旅の締めに新鮮な彩りを添えました。

魅惑のドイツ旅行まとめ

こうして列車・車・飛行機を乗り継ぎ、歴史と自然、甘い菓子と苦い記憶、荘厳な音楽と牧歌的風景を詰め込んだ13日間は幕を閉じました。振り返れば走行距離以上に、心の地図が果てしなく拡がった実感があります。次に鍵を掛ける橋はどこになるのか――旅はまだ終わらないと確信しつつ、窓の外に流れる雲を見送りながら帰路につきました。

この記事の著者:ETweb編集部
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