失敗なしで柔らかくジューシーな味わいを実現する低温調理器が2年くらい前から普及してきた感があります。低温調理器で作った鶏むね肉サラダチキンやローストビーフはかなり美味しいので普及しているのも納得ですよね。
なのでネットを見ると低温調理器のレシピがわんさか溢れています。
しかし!!
まだ未踏のレシピがあることに気がつきました。
それは元々めちゃくちゃ柔らかい最高級A5ランクの松坂牛ステーキ肉(1枚1万円)を低温調理器で焼いてみるとどうなるのかです。
なので、これを今回検証してみました。それとも成功したのか!失敗したのか!
ただ松阪牛を低温調理してもパンチにかけるので、オーストラリア産の激安肉との味比べと、ただ単にフライパンに焼いただけだけの松阪牛との違いも比べてみました。
目次
低温調理器で松坂牛ステーキを作ってみた結論
はじめに時間がない人への今回の検証の結論3つです。
1牛肉を低温調理にかけると柔らかくなり肉本来の味がより濃く感じる
2サシが多すぎる肉は低温調理器にはあまり向かない...気がする
3低温調理器には赤身肉が適している
今回使用したステーキと低温調理器
使用したステーキ
今回、使用した松坂牛は伊勢丹新宿店で仕入れました。
地下1階にある精肉コーナーへ。一番奥が松阪牛コーナーです。
たくさん、いいブツが揃っていますね。どれもお高い。。。
で、今回購入した松阪牛はこちら!! 100g4,320円(笑)
正真正銘A5ランクの最高級品です。
今回購入したのは221gなので9,548円なり!!(本当に買うか売り場を三往復した)
このとき心の奥底で思いました。
ステーキ肉1枚で約1万円は高けーよ(涙)
かたや激安肉は近所のスーパーで購入したオーストラリア産のロース肉です。
100gあたり194円!!
約22倍の価格差です。もはや笑いさえなくなりました。
ということで、これで材料は揃いました。
使用した低温調理器
今回使用した低温調理器は「BONIQ2.0」ってやつです。
現在、低温調理器は日本メーカー製の「BONIQ(ボニーク)」と海外メーカー製の「Anova(アノーバ)」が2大巨頭です。どちらも信頼性もあり、性能差もさほどないので、この2つから選べば問題ないでしょう。
しかし、注意点が一点。
Anovaは海外製なので取扱説明書がすべて英語で説明書を読むだけでも苦労する人が大多数だと思われます。それに比べて、BONIQは日本製なので取扱説明書はもちろん日本語で表記、それもレシピブックも付いてくるので日本人ならBONIQがおすすめです。
ちなみにBONIQにはノーマルタイプ、pro、2.0の3種類があります。
・BONIQ proはサイズがコンパクトで、1200Wとパワーが強く、一度に大量に作れるのが特徴。ただし、値段が高い。
・BONIQ2.0は1000Wとほどよく強く、それでいてサイズがコンパクトなのが特徴。値段はノーマルタイプとさほど変わらない。
なので今なら断然「BONIQ2.0」をおすすめします。proは大量に作れるため、飲食店向けといった側面もあります。大家族ならproをおすすめしますね。
あとコンテナという実際お湯をためて湯煎する入れ物もあった方が便利。たとえば厚手の鍋があれば、それで代用してもOKです。
ちなみにBONIQ公式サイトだと6Lのしか売っていなかったので、別途12L以上のものを買うと一気にいろいろ作れて冷凍保存できるので世界一便利ですよ!
低温調理器でのステーキレシピと最適温度・時間
では、今回のレシピをご紹介します。
1塩コショウをふる
キッチンペーパーで肉の水分を拭き取って、塩コショウを振ります。
2ステーキを袋に入れる
低温調理する前にステーキ肉を袋に入れ、できるだけ空気を抜きます。水につけて徐々に空気を抜く方法がありますがややコツがいります。そんなとき以下の真空パック機があると簡単操作で30秒ほどで真空状態にできます。
3温度と時間を設定
低温調理器の温度と時間を設定します。温度は58度、時間は肉の厚さが2cmなら2時間、1cmなら1時間25分を設定します。今回はオーストラリア牛が2cmで、松阪牛が1cmだったため、先にオーストラリア牛を入れ、35分後に松阪牛を投入しました。
4あとは待つだけ!
58度に達したらお湯にステーキ肉を入れてあとは待つだけ!!
超手軽です。あ、ちなみに浮かんでくる場合は、重しを入れるといいですよ!
5肉を焼く
低温調理器のタイマーが鳴ったら、ステーキ肉をフライパンにバターを引き、焼きます。低温調理の肉は焼き目がつけばいいので、30秒〜1分ほどでOK。あまり焼きすぎると固くなるので注意です。また、低温調理中に塩コショウが取れている場合があるので、再度少しだけ振ると良いでしょう。
低温調理器とフライパンで焼いただけのステーキの味比べ
さて、低温調理器→フライパンで表面だけ焼いたステーキと、フライパンで焼いただけのステーキが完成しました。まずは切って断面を見てみましょう。
まずは松阪牛から。肉の厚さが1cmほどだったため低温調理器だと完全に中まで火が通ってしまいました。
次にオーストラリア産牛肉。2cmと厚かったかたため、ほんのりピンクですね。
てか、フライパンだけの肉、めっちゃ赤じゃなねぇか!!
低温調理のステーキより長めに焼いたのだが、ちょっと足りなかったか...ガクッ。
見た目は松阪牛の方が断然綺麗。同じ牛肉とは思えないほど。オーストラリア牛の方は、さぁ大量に肉食うぞ!!っていうブラジルとかのBBQで出てきそう。
では実食。
松阪牛の実食
まずはフライパンで焼いただけの肉は、噛みしめると生肉ぽいレア感を感じます。いいステーキ屋さんに行って、レアを頼んだら出てきそうな感じ。質がいいので、めちゃくちゃウマい。
次に低温調理した肉は、中まで火が通っているので少し固いのかな?と思っていたが、全然そんなことはなくめちゃくちゃ柔らか。それにジューシーであり、肉本来の旨味を強く感じます。今まで食べたことない食感ですね。
オーストラリア牛の実食
まずはフライパンで焼いただけの肉は、中がレアで分厚いのですごく噛み切りにくい。かなり細かく切らないと、ずっと口の中に残ってしまうでしょう。まるでライオンが生肉をかぶりついてるイメージ。
次に低温調理した肉は、じんわり火が中まで通っているので柔らかく、かなり噛み切りやすい。さらに赤身肉本来の旨味が溢れていて、めちゃくちゃ美味しかったです。イメージ的には良いシュラスコ屋さんに出てきそうなお味。
ではどちらがいいの?
鶏胸肉のように激変するわけではないので、牛肉の場合はどちらが好きかは好みが分かれそうです。
ワイルドにレア感を味わいたいなら間違いなくフライパンだけで焼いたほうがいい。ただし、柔らかくジューシーであり、肉本来の味を上品に堪能したいなら低温調理がおすすめ。
このように一長一短があるため、どちらも試して好きな調理法を選べば良いと思います。
激安オーストラリア産ステーキとの味比べ
では、最後に低温調理した最高級A5ランクの松阪牛とオーストラリア産の激安肉の味の違いを紹介します。
まず、どちらも低温調理にかけると「柔らかく、ジューシーになり、肉本来の味がする」という共通点は一緒でした。
しかし!!
もし、あなたが牛肉を低温調理するなら、断然「激安肉」の方をおすすめします!!
その理由は、松阪牛だともともとサシがあって柔らかなので低温調理しても大してあまり変わらないのと、柔らかくなりすぎて食べ過ぎると脂っぽく気持ち悪くなるから。
おそらく200g一枚食べきれないほど脂っこいので私のように中年世代に入ると、ものすごくしんどくて胸焼けするでしょう。正直、感動するのは初めの2切れだけでした。
その分、海外産の赤身肉はそのまま焼くと固いので低温調理することにより柔らかくなり、そして脂っぽくもありません。
なので結論・・・
サシの多い肉→フライパンで直焼き
赤身肉→低温調理
が最善です。
低温調理器でA5松坂牛と激安牛肉をステーキにして味比べまとめ
今回は低温調理器でA5松坂牛ステーキと安物ステーキを焼いて味比べをしてみました。
最後にまとめると以下になります。
・牛肉を低温調理にかけると柔らかくなり肉本来の味がより濃く感じる
・低温調理器には赤身肉が適している
・サシが多すぎる肉は低温調理器にはあまり向かない
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