みなさんは1ヶ月前に読んだ本の内容を覚えてるだろうか。
ここでいう本の内容を覚えてるとは、本の中身を一語一句覚えてるというレベルではなく、要点や概略を理解していて人に正しく説明できるかというレベルであるかということだ。
おそらく1週間なら覚えてる人も多いだろうけど、1ヶ月前や半年前に読んだ本の場合はどうだろうか。私は読書は好きだけど読んで満足する派だったので、そのあたりがかなり怪しかった。そしたら、amazonで下記の面白い本を見つけたので早速Kindleで読んでみた。
本の概要
著者の樺沢紫苑氏は、ソーシャルメディアの第一人者としても有名な現役の精神科医です。
精神科医と並行して作家としても活動しており、作風は、精神科医としての立場からの科学的根拠に基づいた内容の本が多い。この本も精神科医としての意見を全面に押しているのが特徴的だ。
読書家でもあり月間20〜30冊、過去20年間の累計読書数は6000冊以上だという。その著者みずからが実践している「3つの記憶に残る基本のワザ」は、確かに効果がありそうだと感じた。それだけではない。3つの基本以外の読書術も、これまたユニークで実践するだけで記憶に残りそうなものばかりなのだ。
また記憶術よりも「本を読むことのメリット」や「良い本の選び方」、「電子書籍活用術」など記憶術以外の方が多くページを割かれていた。なので記憶術だけ知りたい方は、第2〜4章に忘れない読書術がまとめられているのでそこだけ読めばいい。目的ごとによく整理されている本だからこそ必要な場所だけ読むということも可能だ。
読んだ内容を忘れないための、たった3つのこと
「記憶に残る読書術」を実践するには、下記の「3つの基本」をおさえればいい。
1.読んだ内容のアウトプット
読んだ内容を何回もアプトプットすることで、より深い記憶として残るという。
例えばこの書評記事もアウトプットの一つだ。本書では、いくつかのアプトプット方法を紹介しているので自分に合うものを選べばいい。
さまざまな脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術として「最初のインプットから、7〜10日以内に3〜4回アウトプットする」ということが明らかになっています。
2.スキマ時間に集中して読む
通勤時間や待ち合わせ時間など制限時間のあるスキマ時間に読書をした方が集中できるという。
また片道1時間のサラリーマンなら1ヶ月で60時間も読書時間が取れるので時間がないとは言い訳できない。スキマ時間で効率的に読書をする時間管理の方法も同時に学べる。
何か物事を行う場合、制限時間を決めると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮する。
3.「速読」より「深読」する
内容を覚えるためには、内容を議論できる水準で深く読むことが大切だという。
読む量だけをこなす速読は、質がついてこないので記憶に残らない。またたくさん本を読めば自然に速く読めるようになる。
最低限「内容を覚えている」「内容について議論できる」という「読書の質」を担保できなければ、どれだけ速く読んでも意味がないのです。
日本人の平均読書量
個人的に一番興味があったのがこれ。文化庁が実施した「1ヶ月にだいたい何冊くらい本を読んでいるか(雑誌・漫画をのぞく)」という調査の結果だ。
本を1冊も読まない・・・47.5%
1〜2冊・・・34.5%
3〜4冊・・・3.4%
なんと月7冊読むだけで読書量が日本人の上位4%に入ってしまうのだ。少ないと思っていたけど、これほどまでにみんな読書しないとは。。
読んだら忘れない読書術まとめ
本を読んだだけで満足してしまう人は、私含めて世の中には結構な数いると思う。そうした理解せず読んだだけの"偽の満足"は、ただの時間のムダだということを改めて理解できた。
本当の読書とは、長年忘れずにいつでもちゃんとアウトプットできる読書のこと。この本を読んで自分の読書スタイルも変わった。
最後に注意点として本書は、幅の広い読書術を扱った本だが速読術は扱っていない。
速読のかわりに忘れない読書をすることに重点を置き、その他の読書術に関してもバランスよく書かかれた本なのだ。まさしくトータル的な読書術を学べる本なので、今から読書を始めたい読書初心者にもオススメの本である。
●今回ご紹介した書籍