日本ではまだまだギャンブルのイメージが強いポーカーですが、世界では囲碁やチェスなどと同じマインドスポーツとしてIOC国際オリンピック委員会にも認められています。
またカジノ法案の成立と共に、日本においても公営カジノが解禁となった昨今、これからさらに一般的なものになっていくことと考えられています。
そんなポーカーですが、一言にポーカーといっても様々な種類があります。今回はその中でも近年世界的に人気を集めているテキサスホールデムという種類のポーカーのルールとやり方、遊び方を初心者でもすぐにゲームが始められるように、どこよりもわかりやすく図解を使って解説しています。
この記事を読めば以下のことが分かります。
テキサスホールデムのルールとやり方、遊び方
テキサスホールデムの確率
目次
テキサスホールデムポーカーとは
ここでは長い歴史のあるテキサスホールデムについて紐解いてみましょう。
テキサスホールデムポーカーの歴史
テキサスホールデムは数あるポーカーゲームのうちのフロップポーカーの一種で、世界中のカジノにおいて最もポピュラーと言われ、最も人気のあるポーカーゲームです。
※ちなみにテキサスホールデムに次いで人気なゲームとしてオマハホールデムというポーカー種目もあります
発祥は1900年代初期のアメリカ合衆国テキサス州ロブスタウンと言われており、テキサス州立法府の記録に最初のゲームの記録が残っています。テキサス州で最初に行われたから“テキサスホールデム”という名前なんですね。ちなみにテキサスホールデムの英語表記は、“Texas Hold’em”と書きます。“Hold’em”は”Hold them”が省略されています。
その後、1960年代にのちの伝説的プレーヤーとして名を馳せるドイル・ブランソン、アマリロ・スリム、クランデル・アディントンなどによってラスベガスにもたらされます。
ラスベガスでの黎明期は、有名カジノであるゴールデン・ナゲット・カジノだけが唯一テキサスホールデムを開催しているカジノでした。しかし、ゲームが行われるポーカールームが「おがくずのたまり場(sawdust joint)」と呼ばれるような油まみれで汚らしい環境だったため、お金持ちたちが集まらなかったようです。
そういった状況を変えるため、一部のプロポーカープレイヤーによって1969年にラスベガスの中心部に新たなポーカールームを設けて、初心者たちを誘致し参加させることができるようにしました。
この後の10年はポーカートーナメントの発展とともに、テキサスホールデムがラスベガスを中心に周知されていきました。また現在でもポーカーの最重要テキストとして知られているドイル・ブランソンの著書「Doyle Brunson’s Super System」にテキサスホールデムのことが詳細に語られていることも関心を集めた一端を担ったと言われています。
1980年代になってラスベガスのあるネバダ州以外への普及がはじまり、1988年になるとドローポーカーしか認められていなかったカリフォルニア州でも、法令によって禁止されていた「スタッド・ホース」とは別のゲームであることが認められ、州内のポーカー店に取り入れられることになっていきます。
このように遠く離れたテキサスの人口約1万人程度の町から始まったテキサスホールデムは急速に規模を拡大していきました。そして現在では遠く離れた日本でも大会が行われるなど世界中で爆発的な人気のあるゲームにまで成長し、今ではカジノでポーカーといえばテキサスホールデムと言われるまでになりました。
テキサスホールデムポーカーの魅力
世界中でテキサスホールデムポーカーが大流行している理由はなんでしょうか。ここではその魅力について迫っていきます。
まず第一の魅力は、どんな人でもお金さえあれば誰とでも遊べること。実業家のビル・ゲイツや、俳優のベン・アフレック、マット・デイモン、日本では歌手のGACKT氏などのセレブリティがポーカー愛好家として知られていますが、一般人でもお金さえあれば、気軽に彼らと同じテーブルでポーカーをプレイすることができます。
第二の魅力は、運が支配するゲームというよりも戦略やスキルが求められる「マインドスポーツ」として認められていることや、投資とリスクマネジメントを学べ、統計や確率にも強くなれるという面もあげられます。
なかなかイメージがつかないという方は、テキサスホールデム自体がメインで扱われているポーカー映画を観ることをおすすめします。
映画だと著名な俳優たちによるテキサスホールデムをプレイする上でのカッコよさ、所作であったり、相手との探り合いなどが巧みに描かれており、雰囲気を掴むことができます。
第三の魅力は、ずばり獲得賞金が高いこと。優勝すると億以上の賞金が手に入る大きなトーナメント(大会)が世界各地で毎年多く開催されています。
その中でもWSOP(World Series of Poker)という毎年ラスベガスで開催されるポーカー世界大会で優勝すると、なんと10億以上の現金とポーカープレイヤーとして最高の名誉である優勝ブレスレットを手に入れることができます。
以下はWSOPメインイベントのファイナルテーブル。テレビ放送されたりと世界中が注目いているポーカートーナメントの一つです。
テキサスホールデムポーカーのルール
ここではテキサスホールデムのルール全般(道具、役、ゲーム進行)についてご説明します。
ここから先に出てくるポーカー用語で分からない用語があれば以下の記事内を探してみてください。
使用する道具
プレイングカード
ポーカーをプレイするためのトランプです。サイズはポーカーサイズとブリッジサイズ(小さめ)の2種類が一般的ですが、テキサスホールデムではブリッジサイズの方が多用され、材質は折り目の付きにくいプラスチック製を用いるのが一般的です。ポーカー世界選手権WSOPで採用されているCOPAG社(コパッグ)のCOPAG1546がポピュラーです。
カットカード
プレイ中にシャッフルされたカードの仕切りとして使います。カードの表面を隠すためにも使われます。
ディーラーボタン
ディーラーボタンはプレイ中のアクション起点の目印として使います。だいたいのディーラーボタンは「DEALER」と書かれており、ディーラーボタンが置かれたプレイヤーが「BTN」ポジションを意味しています。
ミスドブラインドボタン
リングゲームで離席が長時間続くと置かれるボタンのことです。このボタンが置かれた人がビッグブラインド以外でゲームに復帰するには、スモールブラインド+ビッグブラインドを払わなければいけません。また複数回ミスドブラインドすると、だいたいのポーカールームではその席がオープンシートになります。その際、回収されたチップは後で受け取れます。
仲間内だけでポーカーする際はあまり必要ないアイテムです。
チップ
ゲーム中に賭けるお金の代わりとなるのがチップです。デザインは様々あり、だいたいのチップはカラーごとに金額が決まっています。
ポーカーテーブル
数十万円するテーブル状のものから折りたたみできるものや、マットだけのものもあります。プライベートでやるだけならマットタイプで十分です。
オールインマーカー(オールイントライアングル)
チップを全て賭ける際、代わりに置くことでオールイン(全チップを賭けること)を宣言できるマーカーです。ちなみに英語ではオールイントライアングル(ALL-IN TRIANGLE)と呼びます。
カードプロテクター
カードの裏返りやディーラーの誤回収、他プレイヤーハンドと混ざったりなどのアクシデントを避けるために手札の上に置くものです。デザインについてはメダルタイプから人形タイプまで様々ありますが、手札を全て覆っていなければ特に厳密な決まりはありません。
役(ポーカーハンド)一覧
上から強い順に並んでいます。
1ロイヤルフラッシュ(Royal Flush)
1種類のマーク(スート)で10、J、Q、K、Aを揃えた役。フロップで完成する確率は0.00015%、リバーまでに完成する確率は0.0032%。
2ストレートフラッシュ(Straight Flush)
一種類のマーク(スート)で続き数字の5枚を揃えた役。フロップで完成する確率は0.0013%、リバーまでに完成する確率は0.027%。
※数字の並びはAを含む場合、Aを始点および終点とする「10-J-Q-K-A」あるいは「A-2-3-4-5」以外の並びは認められない
3フォーカード(Four of a Kind)
同数字を4枚揃えた役。「クワッド」「フォーオブアカインド」とも呼ばれる。フロップで完成する確率は0.024%、リバーまでに完成する確率は0.16%。
4フルハウス(Full House)
同数字を3枚と2枚のペアで揃えた役。フロップで完成する確率は0.14%、リバーまでに完成する確率は2.60%。
5フラッシュ(Flush)
一種類のマーク(スート)で揃え、かつ続き数字ではない役。フロップで完成する確率は0.19%、リバーまでに完成する確率は3.25%。
6ストレート(Straight)
続き数字を5枚揃えた役。フロップで完成する確率は0.39%、リバーまでに完成する確率は4.62%。
※数字の並びはAを含む場合、Aを始点および終点とする「10-J-Q-K-A」あるいは「A-2-3-4-5」以外の並びは認められない
7スリーカード(Three of a Kind)
同数字を3枚揃えた役。スリーカードには2種類あり、ホールカード2枚とコミュニティーカード1枚の組み合わせを「セット」と呼び、ホールカード2枚とコミュニティーカード1枚の組み合わせを「トリップス」と呼ぶ。セットの方が相手にバレにくい。フロップで完成する確率は2.11%、リバーまでに完成する確率は4.83%。
8ツーペア(Two Pair)
同数字の2枚のペアを2組揃えた役。フロップで完成する確率は4.75%、リバーまでに完成する確率は23.50%。
9ワンペア(One Pair)
同数字の2枚を1組揃えた役。フロップで完成する確率は32.43%、リバーまでに完成する確率は48.74%。
弱ハイカード(High Card)
上記の役に該当しない役なしのこと。日本では「ブタ」とも呼ばれる。ハイカード同士の場合、一番強い数字(キッカー)を持っている者が勝利する。フロップで完成する確率は50.11%、リバーまでに完成する確率は17.41%。
引き分け(チョップ)とキッカー
カードの強さ
役以外にカードの数字にも強さがあり、強い方からA-K-Q-J-10-9-8-7-6-5-4-3-2の順となります。「A」が一番強く、「2」が最弱です。
たとえば「Aのワンペア、2のワンペア、2のツーペア」の三者の役が揃った場合、強い方から2のツーペア→Aのワンぺア→2のワンペアの順となります。このように、まずは役で勝敗を判断し、もし同じ役ならカードの強さで勝敗を決めます。
引き分け(チョップ)
テキサスホールデムでは引き分けのことをチョップ(Chop)やスプリットポット(Split Pot)と言います。同じ役の場合やハイカードが同じ場合などにチョップとなることがあります。具体的にチョップには以下の例があげられます。
・同数字のペア系の役とキッカーの場合
・同じ並びのストレート系の役の場合
・コミュニティーカードだけで最強役が揃った場合
キッカー
キッカーとはポーカーの役を作る5枚のカードのうち、役に関係のないカードのことを指します。役が同じの場合はキッカーで勝敗を決めます。
例えば、
自分の手札「A-J」
相手の手札「A-K」
コミュニティカード「3-A-8-9-3」
の場合、自分と相手が完成させた役は
自分「A-A-3-3-J」
相手「A-A-3-3-K」
となります。
この場合、両者とも同じAと3のツーペアです。このように同じ役が揃った場合は残りのカード(キッカー)の強さを見ます。キッカーは相手は「K」で自分は「J」なので、相手の方が強い数字のため相手の勝ちになります。
ただし、次のような場合は話が異なってきます。
自分の手札「A-9」
相手の手札「A-A」
コミュニティカード「3-3-3-9-3」
の場合、自分と相手が完成させた役は
自分「3-3-3-3-A」
相手「3-3-3-3-A」
となります。
単純にホールカードだけ見ると相手の方が強いですが、テキサスホールデムはホールカードとコミュニティーカードから5枚を選び最強の役を作るため、キッカーは「A」となり、このような場合はチョップになります。
基本ルール
役の作成方法について
テキサスホールデムは最初にディーラーから配られる手札2枚と、ゲームに参加している全員の共通のカードとなるコミュニティカード5枚の計7枚から5枚を選択して役を作ります。コミュニティカードはゲームの進行ごとに3枚から最大5枚まで増えます。
ラウンドについて
1ゲーム中にプリフロップ→フロップ→ターン→リバーと4つのラウンドを挟みます。各ラウンドで参加プレイヤーはアクションすることができ、掛け金を上げたり、相手を降ろしたりしてゲームが進行されます。
勝敗について
プレイヤーはそれぞれコミュニティカードと手札(ホールカード)を合わせたカードの中から5枚で手役を作り、最終的に一番強い役を作れたプレイヤーか、ショーダウン(手札を見せあうこと)前に相手を全員フォールドさせたプレイヤーの勝利となります。もし、リバーが終わった段階で参加人数が2名以上なら、ショーダウンして、より強い役を完成させたプレイヤーが勝ちとなります。
プレイ人数について
1つのテーブルでのプレイ人数は2〜10人までです。大型トーナメントでは何百人〜何千人単位のプレイヤーが参加しますが、だいたい1テーブル9人ほどでテーブルを分けてプレイします。
アクションについて
各ラウンド(プリフロップ、フロップ、ターン、リバー)でプレイヤーができるアクションは以下になります。
アクション名 | 説明 |
---|---|
ベット(Bet) | 事前に誰も賭けていない状態でチップを賭けること。 |
レイズ(Raise) | 他プレイヤーの事前の賭け金を上回る金額を賭けること。 |
コール(Call) | 他プレイヤーの事前の賭け金と同額を賭けること。 |
チェック(Check) | チップを賭けずにパスすること。ただし、そのラウンドで誰も賭けていない場合にしか使えません。「チェック」と言葉にするか、テーブルを指で2回トントンと叩くアクションもチェックとして認識されます。 |
フォールド(Fold) | ゲームから降りること。フォールドしたら今までポットに入れた金額は放棄され、それ以降のラウンドに参加できません。 |
サイドポットについて
チップ量の少ない1人のプレイヤーがオールインをしていて、少なくとも2人以上のプレイヤーがまだプレイをしているときに分けられるポットのこと。残りのプレイヤーはメインポットとサイドポットをかけて争うが、オールインプレイヤーは勝ってもメインポットしか手に入りません。
ポジションについて
ポーカーで使われるポジションは以下の通りです。ポーカーにおいてポジションの存在は、「Position is power.」という言葉があるくらい非常に重要です。
おおまかに「ライブブラインド、アーリーボジション、ミドルポジション、レイトポジション」に分かれます。レイトポジションになるほど有利になります。
ポジション名 | 説明 |
---|---|
アーリーポジション(EP) | 各ラウンドの序盤にアクションをするため不利なポジション。10人テーブルの場合はUTGとその左隣2名をアーリーポジションと呼ぶが、6人テーブルの場合はUTGだけがアーリーボジションとなる。一般的にハンドを絞って参加し、あまりアグレッシブなプレイがしにくいと言われている。参加人数によっては「EP1」「EP2」とも記述されます。 |
ミドルポジション(MP) | 各ラウンドの中盤にアクションをするため、まぁまぁ不利なポジション。10人テーブルの場合はプリフロップで4〜6番目にプレイする3名をアーリーポジションと呼ぶが、6人テーブルの場合はUTGの左隣2名だけがアーリーボジションとなる。レイトポジションより、広めのレンジで参加できると言われている。参加人数によっては「MP1」「MP2」「MP3」とも記述されます。 |
レイトポジション(LP) | 各ラウンドの終盤にアクションをする有利なポジション。10人テーブルの場合はBTNとCO、HJだけがレイトポジションと呼ぶが、6人テーブルの場合はBTNだけがレイトボジションとなる。ただし、HJは含めずBTNとCOだけレイトポジションとする場合もあり。どのポジションよりも広めのレンジで参加できると言われています。 |
ディーラーボタン(BTN) | 他の全プレイヤーのアクションを見たあとにアクションできるので一番有利なポジション。プレイヤーの前に「DEALER」と書かれた目印が置かれる。「ボタン」と略して呼ばれる。「ディーラー」が付くのは、カードを配るディーラーがいなかった場合にボタンが兼務するため。 |
スモールブラインド(SB) | BTNの左隣のポジション。プリフロ時にブラインドの半額を強制ベットしなければいけない。プリフロップだけBTNの後にアクションしますが、フロップ以降は一番最初にアクションしなければいけないので不利なポジションです。 |
ビックブラインド(BB) | SBの左隣のポジション。プリフロ時にブラインドを強制ベットしなければいけない。プリフロップだけ最後にアクションしますが、フロップ以降は最初から二番目(SBの後)にアクションしなければいけないので不利なポジションです。 |
アンダー・ザ・ガン(UTG) | BBの左隣のポジション。プリフロップ時は最初にアクションする必要があり、フロップ以降も最初から三番目(SB、BBの後)にアクションしなければいけないので不利なポジション。名前の由来は「銃口を向けられているくらい危険なポジション」という意味でアンダー・ザ・ガンと呼ばれています。 |
ハイジャック(HJ) | BTNの2つ右隣のポジション。テーブル人数によってレイトポジションまたはミドルポジションになりますが、比較的アクションしやすいポジションです。 |
カットオフ(CO) | BTNのすぐ右隣なのでBTNの次に有利なポジション。アーリーボジション、ミドルポジションのアクションを見てからアクションできるので幅広いハンドレンジで参加可能と言われています。 |
ゲーム進行ルール
それではゲームの流れを見ていきましょう。
1着席
ゲームを始めるにあたりプレイヤーはテーブルを囲むようにして席に着きます。テキサスホールデムにおいて各プレイヤーのポジションはゲームの行方を決める重要な要素となります。
2BTN(ボタン)を決める
ゲームの基準となるプレイヤーがBTNです。ゲームのラウンド中、最後にプレイすることができるBTNは最も有利なポジションとされています。
一般的にゲーム最初のBTNを決める際は、ディーラー(カードを配る係)がカードを一枚ずつ各プレイヤーに配り、全プレイヤーの中で一番強い数字(ランク)を引いた人からBTNを担当していきます。同じ数字の場合は、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの順で強さが決まります。
BTNのプレイヤーには「DELLAR」や「BTN」と書かれた目印を置き、ゲームを開始します。
※プレイヤーとは別にカードを配る人が必要になり、カジノであればディーラー、身内であれば交代で務めたり、BTNの人がディーラーを兼務したりします
3ブラインドの準備
テキサスホールデムではプリフロップの開始前にブラインド(強制賭け金)をベットする必要があります。ただ全プレイヤーにその義務があるわけではなく、BTNの左隣に位置するスモールブラインド(SB)のプレイヤーと、さらにその左隣のビッグブラインド(BB)のプレイヤーが支払います。
ブラインド額はテーブルごとに定額が決まっていますが、トーナメントの場合はゲームの活性化のために定期的にブラインド額が上がります。
4プリフロップ
ゲーム開始はプリフロップ(略:プリフロ)というラウンドからスタートします。プリフロ以降のすべてのアクションは時計回りに順番に行われます。
まず、ディーラーはSBのプレイヤーから時計回りに各プレイヤーに2枚ずつ伏せた状態でカードを配ります。配り終えたらBBの左隣のプレイヤー(UTG:アンダー・ザ・ガンと呼ばれる)からプリフロのアクションを決定していきます。
※アンダー・ザ・ガンは最初にアクションを決定する必要があるため、最も悪いポジションと言われています
プレイヤーの行えるアクションは「ベット、レイズ、コール、フォールド、チェック」のみ。ようするに勝負を続けるか降りるかを選択します。
しかし、プリフロのみ一番多額を強制ベットしているBB以外のプレイヤーのアクションはコール、レイズ、フォールドのみとなります。
各プレイヤーのアクションが決まった後、SBとBBのアクションを決めます。もし誰かがレイズをして金額が合わなくなったら、各プレイヤーはそれぞれの賭け金が同額になるまでアクションし続け、同額になった時点で次のラウンドであるフロップへ進みます。
5フロップ
プリフロが終わり、各プレイヤーの賭けたチップを一ヵ所に集めます。この山をポット(Pot)と呼びます。そのあとディーラーはカードの一枚目を捨て、ディーラーの前のボードに3枚カードが表向きに配られます。この状態をフロップと呼びます。
ボードにオープンになっている3枚と手札の2枚の計5枚のカードがある状態で各プレイヤーはプリフロと同じようにアクションを決定していきます。
フロップ以降は以下のようになります。
ベットしたプレイヤー以外の全員がフォールドした場合→ベットしたプレイヤーの勝ち
ベットやレイズにコールした場合→ベット、レイズ、コールしたプレイヤーのみ次のラウンドへ
6ターン
ボードに4枚目のオープンカードが表向きに配られます。この状態をターンと言います。手札とオープンカードを合わせて6枚のカードがある状態で参加プレイヤーのアクションが開始されます。アクションについてはフロップと同様です。
7リバー
ターンでも決着がつかない場合さらにもう一枚、5枚目のオープンカードがボードに表向きに配られます。この状態をリバーと言います。
リバー以降カードが増えることはないため、最終的には手札とオープンカードの計7枚で役を作り、掛け金を決めます。
8ショーダウン
リバーが終わってフォールドしなかったプレイヤーは手持ちの伏せていたカードをオープン(ショーダウン)し、一番強い役が揃っているプレイヤーが勝者となります。勝者はそのゲーム内で集まった賭け金であるポットを総取りすることができます。
9次のゲームへ
これ以降はゲームを開始する毎に、BTNを左隣の人へ時計回りに移動させて上記の3以降の進行へ続きます。
ポーカーの始め方
ポーカーのルールは1日で覚えられます。ある程度、覚えたらオンラインポーカーからスタートしてみましょう。オンラインポーカーのメリットは、スマホで手軽にプレイできる、ハンド数をたくさんこなせることがあげられます。
テキサスホールデムポーカーの確率
テキサスホールデムでは確率は重要な判断要素の一つです。ここではポーカーで使用する確率の基礎とオッズについて考えてみましょう。
オッズ
まずオッズとは「掛け金と自分が勝った場合に得られる金額の倍率」のことです。
例えばコインの裏表を当てるゲームの場合、勝ち負けは「表50%:裏50%」である事はお分りいただけると思います。この時、賭け金が100円で賞金が2倍の200円であると、オッズは2倍となります。
つまりオッズが2倍あれば収支はイーブンになり、もし2倍以上のオッズであれば何度かプレイしていれば必ず勝てます。つまり、この2倍以上あれば「オッズが良い」と言えます。一方で賞金が200円以下の場合、確率論では長くプレイしているうちに負けが込んでしまうので「オッズが悪い」と言えます。
もちろん、オッズが悪くても一時的に勝ち続ける事もあるますが、長時間やれば必ず確率は収束していきます。
それではテキサスホールデムにおいてのオッズについて考えてみましょう。コインの例では賞金でしたが、テキサスホールデムではプレイヤーから集めた賭け金(ポット)が賞金になります。では下記の場合のオッズはいかがでしょうか。
ポッドに1000チップある場合にプレイヤーAが500チップをベットし、あなたの番になりました。この際、あなたは賭けに参加するためにはルール上、500チップのコールが必要になります。
この時点の賞金は1000+500(ポッド+プレイヤーAの賭け金)+500(あなたの賭け金)=2000チップになります。
500チップ出して、2000チップのリターンがあるのでオッズは4倍。4回やっても1回勝てばOK、つまり勝率25%以上の勝負なら乗れることになります。いわゆる「期待値が高い勝負」と言えます。
上記はポッドの総額を基準としてオッズを出していますが、実際にはあなたのコール後に他プレイヤーからレイズがあると、基準値が変わり再び計算し直さなければならない事を考慮に入れなければいけませんが、とりあえずオッズとは勝負に必要な勝率と覚えておいてください。
アウツ
アウツとは一言で言うと、あなたが引けばその勝負に勝てるカードの枚数のことです。
テキサスホールデムポーカーではトランプのジョーカーを除いた52枚のカードを使います。すべてのカードの52枚からあなたの持っている2枚のカードとフロップにオープンしている3枚のコミュニティカードを引き、残りのカードの中からあなたが引けば勝つアウツを考えてみましょう。
(例)
自分の手札「5-6」
相手の手札「8-J」
フロップ「7-8-J」
上記の場合、相手がツーペアなので、あなたは4か9を引けばストーレートが完成します。この場合、ターンかリバーでストレートができるためのアウツの求め方とアウツを引く確率の計算方法は以下になります。
まずは表に出ていないカードを計算します。
52枚 − 2枚(あなたの手札) − 3枚(フロップ) = 47枚(残りのカード)
次に4と9のアウツを計算します。
アウツは2種の数字(4と9)×4マーク(ハート スペード ダイヤ クローバー)=8枚(アウツ)
つまり47枚の内の8枚のアウツをターンかリバーのどちらかで引ければストレートが完成し勝てます。
ではその8枚を引ける確率がどれほどあるかあるのか見てみましょう。
アウツがターンで引ける確率は8÷47=0.17...なので約17%です。もしターンで引けなくともリバーがあるので、ターンとリバーを合わせて引ける確率は31.5%になります。
上記の例のようにアウツを引ける確率を把握することで、そのゲームにおける自分の手札の勝率がわかります。計算が面倒な場合は、単純に1回のラウンド(ターンだけ)で引ける確率を求める場合は2倍、2回のラウンド(ターンとリバー)で引ける確率を求める場合は4倍してみると簡単に引ける確率が求められます。
アウツが3であればターンは6%、リバーは12%
アウツが4であればターンは8%、リバーは16%
最後に、上記のオッズとアウツのパータンを合わせて考えてみましょう。
(例)
自分の手札「5-6」
フロップ「7-8-J」
現在フロップでポッドに1000チップある状態で、プレイヤーAが500チップをベットしました。あなたの番です。コールすべきでしょうか?
この場合、確率論から言うとコールすべきでしょう。なぜなら、オッズから必要な勝率が25%(4回に1回勝つこと)のに対し、アウツからあなたの手札の勝率は約32%(8アウツ×4倍)と上回っているからです。
ただし、これはあくまでも、ストレートができたら勝てる確率であるだけで他のプレイヤーが、それ以上の役を作って負けてしまうこともあるので目安として考えておくことも大切です。
テキサスホールデム以外のポーカーの種類
最後にポーカーの種類についてサクッとご紹介します。
ポーカーの種類 | 説明 |
---|---|
クローズドポーカー(ドローポーカー) | 最も古いスタイルのポーカー。手札はすべて隠して、ベットタイムとアクションは2回まで。日本では昔から5枚手札の5ドローポーカーが主流です。(例) Anything、8オアベター、ジャックオアベター、ローボール、ショットガン、2to7ドローなど |
オープンポーカー(スタッドポーカー) | 最大の特徴はカード交換ができないこと。カードの一部を表向きにしてプレイします。(例) 5カードスタッド、7カードスタッド、ラズ、7カードハイロースプリットなど |
フロップポーカー(ホールデムポーカー) | 別名ホールデムポーカー、今回ご紹介したテキサスホールデムもこちら。プレイヤー全員の共通カードとなるコミュニティカードが特徴です。(例) テキサスホールデム、オマハ、パイナップル、ウォータメロンなど |
以上が基本的なポーカーの種類になりますが、クローズド、オープン、フロップのそれぞれ今回ご紹介しきれなかった派生形がある他、これらの3種に含められないもの、例えばワイルドカード(ジョーカー)を加えるワイルドポーカーなどや、人以外とプレイするビデオポーカーなどもあります。
テキサスホールデムポーカーのルールと遊び方のまとめ
今回はテキサスホールデムポーカーのルールと遊び方をご紹介しました。
最後にテキサスホールデムポーカーをまとめると以下になります。
・世界で一番盛り上がってるポーカーゲームの種類
・賞金が10億超えもあるほどバカ高い
・ルールは一日で覚えられるほど簡単だけど奥が深いゲーム
ルールを覚えたあとは以下の記事で紹介している本を読みながら、ポーカーアプリ&ツールを使って実際にゲームしてみることをおすすめします。オンラインで慣れてきたら全国のアミューズメントポーカー施設や海外のカジノで実際にプレイヤーと対面で勝負する形式のライブポーカーにもチャレンジしてみてください!