一度や二度、子供から英語教育をはじめると「バイリンガルになれる」「英語耳・英語脳を作れる」など聞いたことがあるかもしれません。
結果だけ言えば『なれます』。
もちろん教え方や環境、本人の努力にもよりますが、たとえば小学生からはじめた方が、中学生から始めるより習得難易度はグッと下がります。
言語学の専門家の中には、13歳あたりまでの英語学習はバイリンガル教育で、それ以降は外国語教育になってしまうと唱える方もいらっしゃいます。
理由は人は13歳までにある程度の母語が固まるからです。
なのでこの母語が固まる内に学習を始める方が良いということです。
結果的にいえば、大人になってからでも努力次第で全然使える英語は身につくんですが、子供からスタートと比べると習得難易度が雲泥の差になります。
そこで今回はさらに深く掘り下げ、子供をバイリンガルに育てる方法について語ってみました。
目次
言語形成期から見る英語教育
もし子供をバイリンガルに育てたい場合にまず考えなければいけないことは、母語がどのくらいの年齢で形成されるかです。
一般的に、バイリンガルの子供は、言葉を習得するに約13年かけ、ゆっくりとゆっくりと形成していきます。
理由は生まれてからの約13年が人が言語を形成していく期間と言われているからです。
なので英語に触れる年齢が若ければ若いほど、母語の骨組みの中に英語も組み込みやすくなります。
もちろん周りの環境にもよりますが、親が適切な環境を作ってあげれれば、自然と言語形成の枠組みの中に日本語と英語どちらも入ってきます。
臨界期仮説から見る英語教育
外国語学習において、よく言われている臨界期説の考え方についても触れておきます。
臨界期仮説とは、人がある言語をネイティブレベルに習得できるのは一定の年齢(臨界期)までとする説のことです。
臨界期はもともと「母語の習得」に関して提唱された仮説なので、想定されているのは母語(=ネイティブレベル)として習得できるリミットのことです。
臨界期仮説では、子供が思春期に達する前後の12〜15歳あたりが母語を形成するリミットで、それ以降はただの外国語学習に移行すると言われています。
アメリカの言語学者 Mark Patkowskiはこの説を裏付ける実験を行い、『ある条件の下で15歳までにアメリカで英語を学び始めた被験者たちのほぼ全員がネイティブのような英語力を身につけた』という結果が出しています。
一方で15歳以上から英語学習を始めたグループは、15歳前の学習者より断然英語力が劣っていたという結果も出ています。
この実験から人はなるべく幼いうちから言語学習をスタートした方がより習得しやすいことが実証されました。
子供のときにバイリンガル教育をするメリット
言語形成期と臨界期仮説の2つを踏まえて考えてみると、やはり小学生から英語教育した方がバイリンガルになれる可能性は高くなります。
ではこの2つ以外に小学生から学習を始めるメリットがあるか考えてみましょう。
シャイな子が少ない
前まで走り回っていた元気のよかった親戚の子供が、久しぶりに会うとおとなしくなっていた。
そういったことを経験した人はいないだろうか?
私は一度経験したことがあります。
そう、子供は中学生になると思春期ど真ん中に突入するので一気にシャイな子が増えてきます。
もちろん英語を口にするのも恥ずかしい。
そして厄介なのは、「日本式英語」の発音ではなく本格的な発音をなぜか恥ずかしがるようになります。
それに比べ小学生は、英語教師の口真似をしたり、英語の歌も躊躇なく歌いますよね。
このアクティブさはなにかを学習する上ですごい重要ですので、自然と持ち合わせている小学生の方が有利になります。
英語を遊びと感じてくれる
大人になってから英語を学習すると、はじめは新鮮だけど慣れてくると苦痛に感じる人が多くいます。
しかし子供は幼ければ幼いほど、英語を話すことを遊びと感じてくれます。
特に子供への英語学習はゲームや歌を使うので、赤ちゃんが日常会話を覚えながらゲームを楽しんでるような感覚と同じように英語を学べます。
リスニングも発音もよくなる
幼い内に英語に触れると、英語耳が形成されやすくリスニングも発音もよくなります。
英語耳とは、英語の発音やイントネーションがそのまま自然に聞こえてくる状態のことです。
この英語耳は、日本語耳が発達するにしたがって失われてきます。
なのでなるべく幼い内から日本語と英語どちらも聴かせれる環境を作ってあげるといいでしょう。
特に日本語と英語では、音韻体系が大きく違うので大人になってから学習スタートするとみんなもれなく苦労します。
大学受験に有利になる
大学受験では英語ができるとかなり有利になります。
中には英語の試験を重要視してる大学もたくさんありますしね。
また現在は「読み、書き、リスニング」の能力をはかるペーパーテストが一般的ですが今後、面接形式のスピーキングテストも増えてくると予想されています。
多様性がある人間に育つ
英語つまり異文化に触れることで、狭い世界だけの常識に囚われない感性を磨けますので多様性への寛容力を持つようになります。
英語を学ぶことと一緒に異なる国のバックグラウンドを学び、そこに生きる人々の考え方も理解するので差別や偏見も減っていきます。
具体的なバイリンガルに育てる方法とは
ここまでバイリンガルになる仕組みやメリットを話してきましたが、では具体的にバイリンガルに育てる方法について説明します。
これはずばり、英語の話せる環境に身を置くこと。
極論を言うとこれしかありません。
日本で育ったバイリンガルの方でよくあるのが両親が違う国籍同士のパターン。たとえば母親が日本人で父親がイギリス人、かつ家庭で日頃から日本語と英語で会話をしていたら、子供は自然とどちらの言語も話せるようになります。
これは両親が違う国籍だからできることじゃないかと思われますが、実は両親が日本人同士でも可能です。なぜかというと現代には便利なツールがあるからです。
便利ツールとはなにかというと子供専用オンライン英会話スクール。
おそらく耳にしたことある方も多いのではないでしょうか。オンライン英会話ならインターネット環境さえあれば自宅で気軽に英会話ができます。
そして街中にある通学制スクールより圧倒的に料金が安い。だいたい月額5,000円ほど。そして自宅なので送り迎えがないので習い事としても適しています。
これは20年前なら考えられない方法ですね。インターネットの普及と人件費の経済格差によって生まれた、いかにも現代っぽいサービスです。
なので子供をバイリンガルに育てたい方は、オンライン英会話を利用しない手はありません。
下記の記事では子供に特化したスクールの具体的な選び方を書いています。
子供を英語のバイリンガルに育てる方法まとめ
いかがでしたでしょうか?
なんでもそうですが、やはり子供の内からなにかをやらせるとその分野では将来プロクラスに匹敵する力を持てると私は常々思っています。
英語で言えば、翻訳者や通訳者などですね。
もしあなたがお子さんをネイティブレベルに持っていきたければ、最低でも小学生から英語学習をスタートさせるのがおすすめです。
そうすることで英語脳が育ち、バイリンガルなグローバル人材に育つ可能性は非常に高くなります。
ほかの英語学習に関しては「英語学習全般まとめページ」をご覧ください。