「フィル・アイビー(Phil Ivey)」は「Tiger Woods of Poker(ポーカー界のタイガーウッズ)」と呼ばれている偉大なプレイヤーです。
※本名はPhillip Dennis Ivey Jr.
この記事では、フィル・アイビーのことを幼少期から現在までどこよりも深掘りしてご紹介します。
よって、これさえ読めば以下のことがすべてわかります。
・フィルアイビーの経歴について知りたい
・フィルアイビーの戦績・伝説について知りたい
・フィルアイビーのプレイスタイルについて知りたい
目次
フィル・アイビーの経歴、戦績
こちらでは、フィル・アイビーのポーカー人生を一から紐解き、彼の戦績と共にどんな人物なのか紹介しています。
ポーカーを始めたキッカケとは
フィル・アイビーは長年、ポーカー界のトップスターに君臨している人物です。少し前まで世界最強の呼び声高かったのは、古参プレイヤーなら周知の事実でしょう。
そして今でも、その実力はだれもが認めていると言っても過言ではありません。
Triton Pokerスーパーハイローラーイベント優勝時
まずは彼がポーカーを始めたキッカケとはなんだったのか紐解いてみましょう。
フィル・アイビーは1977年2月1日、アメリカのカリフォルニア州リバーサイドで生まれ、生後3ヶ月でニュージャージー州に引っ越しました。
※ちなみにフィルは私生活を公表しておらず、親の名前も大々的に知られていません
その後、ニュージャージー州オールドブリッジ・タウンシップにあるオールド・ブリッジ高校を卒業。大学に行っていませんので学歴は高卒です。
幼い頃からカードゲームにハマったフィル・アイビーは、8歳のときに祖父から教えてもらった5カードスタッドからポーカー人生をスタートさせました。2人は莫大な時間をこのゲームに費やし、祖父はフィル・アイビーに天賦の才を持っていることに気づいていたとのこと。
幼少期のフィル・アイビー
その後、1990年後半に勤めていたテレマーケティング会社の同僚とのポーカーで腕を磨き、すぐに才能は開花しました。なぜ同僚とポーカーをしていたかというと、当時はオンラインポーカーがなく、かつ未成年であったため、カジノに入れなかったためです。
ポーカーのメッカ・アトランティックシティーで活躍
合法的にカジノに入るには21歳になるまで待たなければありません。しかし、フィル・アイビーは17歳のとき、「ジェローム・グラハム」という偽名の偽IDを使い、アトランティックシティのカジノに頻繁に出入りするようになり、キャッシュゲームやトーナメントでさらに腕を磨きました。
※当時のアメリカのポーカーのメインストリームはアトランティックシティでした
アトランティックシティのカジノ
自由な時間をすべてカジノでポーカーに費やし、1日15時間、毎日ポーカーをし続けることで、スキルを向上させ、様々な戦略を研究したとのこと。当時、彼はずっとカジノにいたことから「No Home Jerome」というあだ名が付いたほどです。
アトランティックシティのポーカーシーンで早くから成功を納め、フィル・アイビーはより大きな資金と自信を得ることになりました。
その後、21歳でラスベガスでプレイするようになり、ダニエル・ネグラヌとバリーグリーンスタインと出会い、彼らから指導を受け、いつしか世界最強の一角に数えられるまでになりました。
その後、ライブゲームだけは飽き足らず、早くからオンラインポーカーにも進出し、様々なスクリーンネームでハイステークスのゲームに参戦。そこで輝かしい成績を残したことから、最強のオールラウンドプレイヤーとも呼ばれました。
WSOPで大活躍
トーナメントもめっぽう強く、2000年のWSOP(World Series of Poker)の2500ドル・ポットリミット・オマハで初ブレスレットを獲得後、2014年までに合計10個のWSOPブレスレットを獲得しています。
2014年、10個目のブレスレット獲得時のフィル・アイビー
それも2002年には3つ、2009年には2つ獲得と同年に複数ブレスレットを獲得という快挙を達成。ちなみにすべてテキサスホールデム以外のポーカー種目です。
またメインイベントは、2002年から2009年の間に4回もトップ25に入りました。2002年は23位、2003年は10位、2005年は20位、2009年は7位とポーカー種目問わず活躍していました。
●WSOPでの成績
| 年 | 順位 | トーナメント | 獲得賞金 |
|---|---|---|---|
| 2000年 | 優勝 | $2,500 Pot Limit Omaha | $195,000 |
| 2002年 | 優勝 | $2,500 7 Card Stud Hi/Lo | $118,440 |
| 2002年 | 優勝 | $2,000 S.H.O.E. | $107,540 |
| 2002年 | 優勝 | $1,500 7 Card Stud | $132,000 |
| 2013年 | 優勝 | $5,000 Pot Limit Omaha | $635,603 |
| 2009年 | 優勝 | $2,500 No-Limit 2-7 Draw Lowball | $96,367 |
| 2009年 | 優勝 | $2,500 Omaha Hi/Lo / 7 Card Stud Hi/Lo | $220,538 |
| 2010年 | 優勝 | $3,000 H.O.R.S.E. | $329,840 |
| 2013年 | 優勝 | A$2,200 Mixed Event | A$51,840 ※A=オーストラリア |
| 2014年 | 優勝 | $1,500 Eight Game Mix | $166,986 |
だれもが認める世界最高峰のプレイヤーへ
フィル・アイビーはそのキャリアを通して、ライブ、オンライン問わず、キャッシュゲームとトーナメントの両方で素晴らしすぎる成績を収め続け、数々の賞賛と多額の賞金、熱狂的なファンを獲得しました。本当に一時はタイガーウッズを彷彿とさせる無双の強さを誇っていました。
タイガーウッズとはチャリティーポーカーイベントで対戦しています
また様々なポーカー種目に適応し、常に最高レベルのパフォーマンスを発揮する彼の能力は、同業者から賞賛を浴び、史上最も偉大なポーカープレイヤーの一人としての地位を確固たるものにしました。
ポーカー殿堂入り
40歳になった2017年にポーカー殿堂入り(Poker Hall of Fame)を果たしました。
ポーカー殿堂入りは40歳以上からというルールがあるのですが、もしなければ、もっと早く殿堂入りしたと言われています。
主な業績
| 年 | 業績 |
|---|---|
| 2000年 | WSOPのファイナルテーブルでアマリロ・スリムを破った最初のポーカープレイヤー。 |
| 2002年 | 3個のWSOPブレスレットを獲得。 |
| 2005年 | 5個目のWSOPブレスレットを獲得。「オール・イン・マガジン」誌の「ポーカー・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。 |
| 2008年 | WPTで優勝。 |
| 2009年 | WSOPでさらに2つのブレスレットを獲得し、合計獲得ブレスレット数7つに増やした。「ポーカー・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」に再び選ばれる。 |
| 2010年 | 8個目のWSOPブレスレットを獲得。 |
| 2011年 | フルティルトを提訴。 |
| 2013年 | 9個目のWSOPブレスレットを獲得。 |
| 2014年 | 10個目のWSOPブレスレットを獲得。オージー・ミリオンでそれまでのキャリアで最高額の賞金を獲得。 |
| 2017年 | ポーカー殿堂入り。 |
フィル・アイビーのプレイスタイル
こちらでは、フィル・アイビーのプレイスタイルを紹介しています。
ルースアグレッシブ
フィル・アイビーの基本プレイスタイルはルースアグレッシブで、計算されたリスクを恐れず、状況に応じて、クレイジーなビッグブラフと高額ベットを駆使し、対戦相手を揺さぶります。それによって、相手にプレッシャーを与え、ハンドをコントロールすることが得意です。
驚異的なリーディング能力
戦略と戦術面も長けており、ハンドレンジ、ポジション、プレイヤーの傾向などのゲームの細かなニュアンスを深く理解しています。それに加え、リーディング能力も優れ、相手の行動、ベッティングパターン、身振り手振りに細心の注意を払い、弱点を突くことが得意です。
ちなみにプレイ中、相手を目をギョロギョロさせることから、ファンから「The Owl(フクロウ)」と呼ばれることもしばしば。
相手を威嚇するようなギョロっとした目が特徴的
高い適応力
また、ゲームごとの力学、テーブルごとの傾向、ゲームの流れを読み、自分をフィットさせる適応力も高く、様々なポーカー種目に精通しています。
もちろん、メンタルも強く、テーブルでは常にクールで冷静沈着な態度で知られています。それゆえ、プレイ中の彼の表情には感情がないため、対戦相手からは非常に読みにくいプレイヤーです。
以上の資質を兼ね揃えているため、フィル・アイビーは数々の輝かしい成功を勝ち取っているのでしょう。
フィル・アイビーの伝説
こちらではフィル・アイビーの伝説をご紹介します。
史上最年少でWSOP10冠
フィル・アイビーは38歳のときにWSOPで10個のブレスレットを獲得しました。
これは最年少記録です。
3日で23億円を獲得
2006年2月、The Wynn Resortにて開催された数学者のアンディ・ベール(Andrew Beal)との3日間におよぶヘッズアップ・キャッシュゲームで、フィル・アイビーは$1,660万(約23億円相当)を獲得しました。
WPTでも2度、優勝経験あり
WSOPばかり注目されていますが、2008年と2022年にそれぞれ1度ずつ優勝しています。その時の賞金は$1,596,100(約2.二億円)です。ファイナルテーブル進出は11回もあります。
現在はWPTのアンバサダーに就任しています。
今まで合計トーナメント獲得賞金額は約54億円
The HENDON MOBによるとフィル・アイビーが自身のキャリアで稼いだトーナメントのトータル賞金額は$38,674,645(約54億円＝2023年7月現在)です。
ちなみに、これはトーナメントだけの記録なので、キャッシュゲームやオンラインポーカーをあわせると100億円は超えていると言われています。
フィル・アイビーのまとめ
今回はフィル・アイビーについてご紹介しました。
最後にフィル・アイビーについて以下にまとめました。
史上最高のオールラウンダー
ライブ、オンライン、キャッシュ、トーナメント、ポーカー種目問わず強い
WSOPで10個のブレスレットを獲得
WPTでも2度、優勝
ダニエル・ネグラヌに指導を受けていた
3日間のキャッシュゲームで23億円を獲得
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