今回は英語の前置詞「over」のイメージと覚え方をできるだけ簡単にご紹介します。
overというのは「〜を覆って、〜を越えて」という意味で有名な前置詞ですが、実はそれは日本語訳の一部であって、「〜を覆って、〜を越えて」だけだとoverの本当の意味がわかりません。
ではどういった意味が隠されているのか一つ一つ見ていきましょう。
「over」のイメージ
overは本来、「全体を円で覆う」というイメージが根底にあります。
このoverの「円で覆うイメージ」は様々なものを覆うときの説明に使えます。なので「覆う」から派生して「〜を越えて」「〜を渡る」「〜を支配して」「〜をしながら」といった意味としても使われます。
言葉だけだとイメージしづらいので、さっそく例題と一緒に見ていきましょう。
「〜を覆って」という意味をもったoverの場合
「〜を覆って」は有形なものから、「世界」など無形なものまで覆うことができます。何かを覆っているという点ではすべて共通しています。また覆いかぶさり方によっては「〜を支配して」というように訳し方も変わります。
例文を見てみましょう。
(テーブルにカバーをかけた。)
※テーブルという有形なものを覆っている。
We traveled all over the world.
(私たちは世界中を旅行した。)
※世界という無形なものを覆っている。
He threw a blanket over her leg.
(彼は彼女の脚にブランケットを掛けてあげた。)
"※脚にブランケットが覆いかぶさっているイメージ。
There is the bridge over the river.
(川の上に橋がかかってあります。)
※橋が川に覆いかぶさっているイメージから「位置的な上」も表現できる。
すべて「〜を覆って」というニュアンスが根底にあることがわかります。また、overが「〜を覆って」と訳すばかりではないということがわかりますね。
「〜を越えて」という意味をもったoverの場合
「〜を覆って」ということは、「〜を越えて」という意味にも派生できます。
例文を見てみましょう。
(私はそのフェンスを飛び越えた。)
※overの「越える」は"対象物の上空を越えて反対側に着地する"というイメージ。
His company is over the bridge.
(彼の会社は、その橋を越えたところにある。)
※越えた先のことも表現できる。
It is very hard for him to get over such a difficulty.
(彼がそのような困難を乗り越えるのはとても難しい。)
※無形の困難も越えることができる。
She is already over sixty.
(彼女はもう60歳を越えています。)
※年齢などの数字も越えることができる。ただし、この場合は60歳は含めないので彼女は61歳以上になる。
Summer vacation is over.
(夏休みが終わった。)
※越えた先にある「終わり」も表現できる。
I'm over my cold.
(風邪が治った。)
※風邪を乗り越えて終わった(=治った)ことも表現できる。
すべて「〜を越えて」というニュアンスが根底にあることがわかりますね。
その他の使用例
最後にoverのその他の使用例を見ていきましょう。
(その王様は、その国の人々を支配していた。)
※「覆う」→「力で覆う」→「〜支配して」と派生できる。
He has no control over himself.
(彼は自制心がない。)
※「心を支配する」ことも表現できる。
I talked with my friend over the telephone.
(私は友達と電話で(電話をしながら)話した。)
※「覆う」→「〜しながら」と派生できる。私と友達の間に電話が覆いかぶさるイメージです。
前置詞「over」のイメージと覚え方まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後にもう一度、overのイメージは「全体を円で覆う」です。このイメージを持つことで会話、文章読解のときに役立つと思います!
●前置詞をより詳しく知りたい方はこちらがわかりやすくおすすめです
ほかの英語学習に関しては「英語学習全般まとめページ」をご覧ください。